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スマートマニュファクチャリングへの投資を拡大

ASUS AIoT、AIとビッグデータを活用した製造プロセスを開発

2020年07月17日 14時30分更新

文● ASCII

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ASUS AIoT

 ASUSは7月17日、ASUS AIoTビジネスグループが、AIとビッグデータを活用した高度なマニュファクチャリングソリューションを開発したと発表した。

 同社は、2019年末にAIoT事業部を拡大するとともに、名称をAIoT Business Group(AIoT BG)に変更した。また、設計力、技術力、継続的な収益性という、製造業を成功させるための3つの重要な側面について見直しと計画の立案を行ない、サプライサイドのインダストリー4.0のアップグレードに必要な柔軟性、スピード、生産性、品質を実現するために業務を変革した。

 手作業による欠陥検査は、製造工程において大きな問題点であり、非効率の原因でもあるという。金属製の周辺機器、ファン、プリント基板やその他コンピューター部品の生産およびシステムの組み立てにAIを活用したスマートマニュファクチャリングに投資することで、ASUSは効率性への障害を取り除き、工場の従業員が製造上の欠陥を誤判断することで生じる損失の低減に成功したとする。

 製造業では、手作業による外観検査を自動光学検査(AOI)に切り替えるのは一般的という。ただし、機械金属部品製造においては、光学検査は有効ではなく、光の反射による欠陥を確認するため、手作業による外観検査では、さまざまな角度から製品の表面を見る必要がある。完全で正確な欠陥データを得るためには、光学的な特性と部品表面の特徴を捉えることがとても重要とする。

 光学検査はAIoTビジネスグループの中核的な技術で、機械学習、ディープラーニング、そしてAIが正しくモデルを検出できるようにトレーニングするアーティフィシャルニューラルネットワーク技術を活用。AIoTビジネスグループの共同責任者でコーポレートバイスプレジデント アルバート・チャン氏は、「自動光学検査の精度は一般的に80~90%で、10%以上の欠陥が誤って判断される可能性があることを示しています。また、手作業による外観検査の精度90%程度です。ASUSは現在、学習後のAIの精度が98%まで大幅に改善することに成功しています」と話す。

 また、ファンの品質を確保するために、ファンの音を聞いて不具合を発見する検査員に頼っていたが、人材を育成するには3~6ヵ月の期間が必要な上、検査員はたびたび聴覚疲労などの職業病に悩まされ、従業員の健康に悪影響を及ぼしたり、品質検査の精度の低下を招いたりしていた。

 そこでASUSは、正常なファンの作動音を解析しサウンドシグネチャーを開発したAI Wave Signature Systemを導入。このサウンドシグネチャーを使ってAIモデルをトレーニングした結果、高品質なファンを迅速に特定できたという。AI Wave Signature Systemは、検査中に電流、電圧、振動などのテストも併せて行なうことが可能で、製品全体の品質確保につながる。さらに、このシステムは、リアルタイムの製造設備の監視にも対応しており、工場のダウンタイムを回避する。例えば、AI Wave Signature Systemを使って工場内の設備のモーターを監視することで、モーターの動作に異常が発生すると即座に作業スタッフに通知が届く。モーターが完全に故障する前に修理することができ、生産停止やそれに伴う損失を回避できるという。

 ASUS AIoTビジネスグループは今年、ファンと機械部品サプライヤーに対して積極的な目標を掲げており、30件のスマートインスペクションプロジェクトの獲得を見込んでいる。ジャッキー・シュー氏は、「私たちの本来の目的と最優先事項は、業界共同でアップグレードを図り、サプライチェーンの改善を支援することで、国際競争に立ち向かい、経験を積んでいくことです」と述べている。

 アルバート・チャン氏は、大手工場によるスマートマニュファクチャリングとAI検出ソリューションの導入について次のように発言している。「次のステージの最終目標は、拡張性を備え、迅速な普及と導入を可能にする再現性です。そして、ASUS AIoTビジネスグループの最終的なビジョンは、『完全な品質分析』に注力することです」

 今後3~5年のASUS AIoTの目標はデータ分析という。不具合の原因究明に力を注ぎ、高収益を実現するために根本的な解決法を見出せるようサプライチェーンを支援し、成功への方程式を作り上げ、長期的な価値を積み重ねることで、データ分析はASUSブランドの重要な柱となるとしている。

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