「麺に関しては誰にも負けない」麺に特化したラーメン店とは!? 桐麺 本店(大阪府・大阪市淀川区)(前編)【大阪の麺スタグラマーによる「ラーメンの時間ですよ」】第10回
2020年07月21日 18時00分更新
はいはーい、ラーメンの時間ですよ♪
「スープはあくまで麺を引き立たせるための脇役」
日本中に数多くあるラーメン店。それぞれの店主さんが情熱とプライドを持って一杯のラーメンを作り上げている。スープを主体とし、そのスープに麺を合わせていくのが一般的な中で、麺が主役と言い切るお店に密着!
今回取材させて頂いたのは、淀川区の神崎川にある『桐麺 本店』の店主、桐谷尚幸さん。
『桐麺 本店』の他にも、同じ淀川区の十三に『中華そば 桐麺』も展開されています。今やテレビや雑誌にもよく取り上げられる大人気のお店。
見た目のインパクトが強い……(失礼)桐谷店主。テレビにもよく出演されており、5年間で20回ほど取り上げられたそうですが、この風貌からラーメンよりも「美女と野獣」などと弄られキャラで登場することが多いとの嘆きも(笑)。お話も面白く、たしかにバラエティ番組には重宝しますね(またまた失礼)。
そんな桐谷店主がラーメンを生業とすることになったエピソードが、またドラマ。
遡ること11年ほど前。福岡から来阪して求職中のある日、ふと道を歩いていると占い師さんが。仕事が見つからない焦りもあり、神頼みならぬ占い師頼みでお金を払い占って頂くと、「ラーメン店をやるべき」との一言が! これがラーメン店をやることになったきっかけに。
……って、え!? 占い結果が人生のターニングポイントですか?(笑) よく信じましたね?
「そのおばちゃん占い師に伝えたのは名前と生年月日だけだったのに、それだけで『あんたのお父さんタクシー運転手で、おじいちゃんは漁師でしょ』ってズバリ当てて! これは信じてみようと」
で、求人情報で見つけたラーメンチェーン店の『魁力屋』さんに就職。1年半ほど働いたものの、ここではラーメン作りより熱い生き方などを主に学んだそう。
この間、ラーメン店の食べ歩きを始め、その中で感動したラーメン店の一つである『東成きんせい(現・ラーメン人生JET600)』さんがスタッフを募集していることを知り、応募して採用されることに。
この『東成きんせい』は、大阪のラーメンシーンを支えたくさんの名店店主を輩出してきた『きんせい』グループのお店。そこで修業され、後に『ラーメン人生JET』を開業する山本店主の元で弟子となり、ラーメンの極意を学ぶことに。仕事を覚えたい一心で、仕込みの前に出社して色々と勉強させて頂く日々。
その後、山本店主が『ラーメン人生JET(JET本店)』を福島区で開業。しばらくして桐谷さんも『東成きんせい』からこちらに異動することになり、その後店長に。
『ラーメン人生JET(JET本店)』では店長として約4年間を過ごし、師匠である山本店主に製麺も含めラーメン作りのイロハを教わったそうで。
その後、2014年12月に独立し『桐麺 本店』を開業。屋号の由来は「桐谷の麺」。この屋号からも、冒頭にお伝えした麺へのこだわりがひしひしと感じられます。
駅から遠い場所にも関わらず評判が評判を呼び、瞬く間に人気店に。弟子もでき、2017年3月には十三に2号店『中華そば 桐麺』をオープン。しかも驚くべきは、これらは全て計算済みであること。
独立前に作成したという【未来年表】。この年表の中には2号店オープンのことも弟子のことも書かれており、豪快なイメージとは裏腹に(笑)自らのライフプランをしっかりと描いて具現化していることがすごいところ。
さて、ここからは麺へのこだわりについて触れたいと思います。
桐谷店主曰く、「僕はとにかく麺が好きなんで、麺に特化したラーメンで勝負したい。そう考え、麺に関しては誰にも負けない、そんなラーメンを目指した」そう。
「どこの店主さんもラーメンを作る時はまずスープを考え、それに麺を合わせるのが一般的だと思うが、うちはラーメンを作る時はまず麺から考え、その麺に合うスープを後から考えていく」
つまり、『麺を後押しするためのスープ』という考え方。それが冒頭の「スープはあくまで麺を引き立たせるための脇役」との言葉に繋がるわけですね。
ちなみに、桐谷店主とともに本店を支えている田中さんの肩書きは、何と『製麺師』! それほどまでに麺へのこだわりが半端ない。
ここからはメインのラーメンについて……と思ったらもうすでにかなりの文字数オーバー。ということで、この続きは次回の後編で詳しくお伝えしたいと思います。(あまりにエピソードがすごすぎてまとめきれず(笑)すみません……)
麺にこだわり抜いた桐谷店主が作る驚きの一杯、次回をお楽しみに。
<店舗データ>
【店名】桐麺 本店
【住所】大阪府大阪市淀川区三津屋北3-1-15
【営業時間】11:00~16:00
【定休日】火曜日
【最寄り駅】阪急神戸線「神崎川」駅から徒歩約12分
※新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止策により、営業日・営業時間・営業形態などが変更になる場合があります。詳しくはお店の公式ツイッターをご確認ください。
<ライタープロフィール>
だいち Daichi
大阪府在住。年間300食以上を食べ歩くラーメンインスタグラマー。普段はバイク移動をしており、美味しいラーメンを求めて気の向くままにラーメン店巡り。仕事柄出張が多いことから、Instagramには全国のラーメンをポストしている。
本人Instagram @ramentimes
Twitter @elground7s