日本テレビは、27日に「世界一受けたい授業」で放送した、犯罪対策としての「スマートフォンのSIMカードロック」の説明について、「分かりづらい点がありました」と弁明するとともに、「手順を確認出来ない場合は、操作を控えて頂くようお願い申し上げます」とする文章を掲載している。
今のスマホでは間違った操作がしやすく
それでいて使い勝手が悪いSIMカードロック
SIMカードのPINコードによるロック機能は3Gの携帯電話時代から存在したもので、通信事業者の業界団体であるTCA(一般社団法人電気通信事業者協会)のサイトにも設定方法が掲載されているように(https://www.tca.or.jp/mobile/sim-pin.html)、機能そのものにまったく意味が無いというわけではない。ただ、誤った操作をしやすく、その結果、スマホが一時的に使えなくなるなどの状況に陥りやすいものと言える。
まず、SIMカードにPINコードを設定した状態では、端末の起動時などに4桁の数字のPINコード入力が求められ、3回連続して間違えると自動的にロックがかかって電話の発信・着信やデータ通信などが不可能になる。
ただ、このロック機能は通常はデフォルトでオフなので、まずスマホ上で機能をオンにするところからスタートする。PINコード(4桁の数字)の初期値はキャリアごとに設定されており、機能オン時に「現在のPINコード」(つまり初回時は初期値)を入力し、その後でPINコードを変更する必要がある。もちろん、キャリアのサイト上には初期値の情報が掲載されているのだが、調べないまま作業を開始して、適当に「1111」などと3回入力してしまうとその時点でロックがかかる。
この段階をクリアしたとしても、3回連続で間違えただけでロックがかかってしまうことから、確実に記憶にある数字を使いたくなってしまう。だからと言って、自分の誕生日や携帯番号の下4桁を使ったのでは逆効果。つまり、スマホのセキュリティー対策としては、相当に使い勝手が悪い機能と言える(盗難の可能性が高いエリアへの海外旅行時など、有効な場面も考えられるが)。
なお、ロックしてしまったSIMは、8桁のPINロック解除コード(PUKコード)の入力で解除可能。PUKコードはSIMカードが取り付けられていたクレジットカードサイズのカードや契約時の書類、またキャリアのサポートなどから確認可能。ただし、このPUKコードすら10回連続で間違えると完全にロックされて、SIMカード自体の交換が必要になるのでよくよく注意する必要がある。
スマートフォンの利用には、類推しにくいパスコードや指紋の登録などとともに、紛失・盗難時はキャリアのサポートに停止の依頼と、基本的な対策をまずはしっかり心がけたい。