サイボウズは6月17日、大阪府八尾市の事業者サポート給付金のオンライン申請において、kintoneが採用されたと発表した。
同社と八尾市は2018年8月に包括的な連携協定を結び、地域の課題解決に関わるワークショップや働き方改革のサポート、中小企業のものづくりを伝えるプロジェクトである「みせるばやお」の運営システムなど多方面で協力関係にある。今回、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための取り組みの一環として、窓口業務での接触回避を検討するなかで、今回の給付金のオンライン申請システム構築へと繋がったとしている。
とくに町工場など中小零細企業の多い八尾市では、大阪府の給付金の枠組みから外れてしまう零細事業者向けに八尾市が事業者サポート給付金として一律10万円を支給する市独自の制度を17日より開始。kintoneを基盤に使ったオンラインと郵送両面での申請受付を開始した。
全戸配布である個人向けの特別定額給付金と違い、企業からの申込みでは条件に合致するかどうかを市が判断する必要があり、オンライン申請フォームにおいては従来の必須項目の充足チェックに加えて、各種書類のフォーマット画像をAIに覚えさせ、違う書類が添付された場合にアラートを表示するなど適した書類を添付させるような仕組みを導入。
また、郵送では中小規模事業者の多くが手書きで申請することが予想され、手書き認識率が99%以上と高精度なOCRと連携。書類をスキャンする際にkintone上の氏名、住所など該当の項目にテキスト化して自動記入させ、審査する職員は正しいかどうかの確認で済むようにしている。
八尾市では、書類事務の作業時間と再確認時間が大幅に削減され、迅速な給付と事務職員の負担軽減を図ることができるとしている。また、今回の件を手始めに、今後は各種助成や補助金の給付におけるオンライン化を促進していくという。