ファーウェイ新タブレット、HUAWEI MatePadシリーズ ロードテスト 第1回
「HUAWEI MatePad Pro」はハイスペック&大画面で遊びも仕事もこなせる
2020年06月08日 11時00分更新
ファーウェイからハイエンドタブレット「HUAWEI MatePad Pro」が発表された。同社の最高グレードのSoC「HUAWEI Kirin 990」を搭載する最上級モデルで、約10.8型のディスプレーは画面占有率約90%を実現し、映画撮影に使われる「DCI-P3」という広い色域をカバーしている。さらに、4チャンネル・4スピーカーによる迫力サウンドで音楽や映画を楽しめるというぜいたくな仕様だ。
別売のスマートワイヤレスキーボードと組み合わせるとノートPCと同じように使えて、書き味に定評があるスタイラスペン「HUAWEI M-Pencil」にも対応する。“ファーウェイ史上最強”と言って差し支えないであろう、このタブレットをいち早く使ったのでレポートしたい。
ノートPCと同等の性能で場所を選ばずに使える
HUAWEI MatePad Proの最大のアドバンテージは、HUAWEI Kirin 990を搭載していることだ。HUAWEI Kirin 990はファーウェイのフラッグシップスマートフォンにも採用されている。CPUは2.86GHz×2コア+2.09GHz×2コア+1.86GHz×4コアという構成で、“3段階ギア”で省電力と高効率を実現する。さらに16コアのGPUを搭載することで、グラフィックの処理速度も向上させている。AIの処理を行なうNPUは、ビッグコアとタイニーコアの2つのコアで構成。タブレットに搭載されるのはこのモデルが初めてだ。
メモリーは6GBで、内蔵ストレージは128GB。さらに、ファーウェイ独自の記録メディア「NMカード」にも対応するので、容量不足も解消できる。
1週間ほど使っているが、アプリの起動や切り替えは速く、タッチ操作にもキビキビと反応してくれる。いまのところ、一切ストレスを感じることなく快適に使えている。「AnTuTu Benchmark」アプリでベンチマークも測定してみたが、タブレットとして十分すぎるスコアを記録した。
バッテリーは約7250mAhと大容量。ファーウェイによると、12時間のビデオ再生、11.5時間のウェブ閲覧が可能とのことだが(※動画再生は、ローカルに保存された動画をHUAWEI Videoアプリを使用し、1080pで再生した場合。ウェブ閲覧はUCブラウザーを使用した場合の目安)、おそらく外出先で電池残量が不安になることは稀だろう。
最大40Wの「HUAWEI SuperCharge」による急速充電に対応していることに加え、ワイヤレスでも最大15Wでの充電が可能。筆者はオプションの「HUAWEI SuperCharge Wireless Charger(最大27W)」(税抜 3900円)を持っているのだが、それに載せるだけでスピーディーに充電できることは、ものすごく便利だった。さらに、Qi対応のスマホなど他のデバイスに “ワイヤレス給電”(リバースチャージ)できる機能も備えている。
ボディーには軽さと堅牢性を両立させるマグネシウム合金を採用。約7.2mmという薄さだが、フレームにはカーブを施し、持つ手になじむようにも配慮されている。背面はフラットで、サラリとした手触り。滑りにくく、なおかつ指紋が付着しにくいのが利点だ。
OSはAndroid 10ベースのEMUI 10を採用。しかし、GMS(Google Mobile Services)に対応していないため、「Gmail」「マップ」「フォト」などのGoogle純正のアプリが入っておらず、「Playストア」も利用できない。その代わりに、ファーウェイ独自の「AppGallery」からアプリをダウンロードできる。Playストアに比べると、まだまだ配信アプリ数は少ないが、5月には「LINE」が追加されるなど、日本での需要が高いアプリも増えつつある。
なお、Gmailは初期搭載の「メール」アプリにアカウントを登録すれば送受信可能だ。GoogleマップやGoogleフォトといったサービスは「ブラウザ」からウェブ版にアクセスして利用できる。また、「Phone Clone」というアプリを使って、今まで使っていたスマホやタブレットから一部のアプリを移すことも可能。さらに、サードパーティーアプリを検索して、配信元サイトからダウンロードできる「TopAPPNAVI」という機能も用意されている。タブレットはスマホほど特定のアプリへの依存度が高くないので、Google純正アプリが使えなくてもさほど困らないだろう。
高精細ディスプレーと
高音質サウンドで映画も楽しい
フロントパネルの90%を占める高精細なディスプレーもHUAWEI MatePad Proの大きな魅力だ。約10.8型の「フルビューディスプレイ」はアスペクト比が16:10で、解像度は2560×1600ドット。「YouTube」や映像配信サービスなどを楽しむには理想的なスペックといえよう。しかも、映画撮影で用いられる「DCI-P3」という広い色域の表現に対応しているため、映画館で見るときに近い、豊かな色彩で鑑賞することができる。
ちなみにYouTubeアプリはHUAWEI MatePad Proに対応していないが、ブラウザーからウェブサイトのYouTubeにアクセスして視聴できる。つまり、パソコンでYouTubeを見る場合と同じだ。サブスクリプションの映像配信サービスはAmazonの「プライム・ビデオ」を観ることができた。AppGalleryではアプリは配信されていなかったが、TopAPPNAVIで検索してダウンロードできた。
実際に映像コンテンツを見て、いいな! と思ったのは画質だけでなく、音質もだ。HUAWEI MatePad Proは左右に2つずつ、合計4つのスピーカーを搭載している。従来のHUAWEI MediaPadシリーズなどと同様に、世界的なオーディオブランドである「ハーマンカードン」がサウンドチューニングを手掛けている。複数人で見る際にも十分な音量が得られ、しかも大音量にしても、音が割れたり、歪んだりしない。操作しないときはスタンドなどに立てて、ディスプレー付きスピーカーとしても重宝するだろう。
AppGalleryからダウンロードしたゲームもいくつか試してみたが、包み込まれるような音によって、より没入感が高まるように思えた。
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