NPO法人まもるをまもるは4月18日〜4月19日に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受けて、オンラインで「コロナ対策ニーズソン」を緊急開催した。
今回はこの緊急事態下でのニーズソンを受けて、どのような発信がなされたのか、また成果としてどのようなものが実際生まれつつあるのかを2本の記事でレポートする。(後編はこちら)
まずは、実際の医師や看護師など、医療従事者による現場からのインプット報告を抜粋して紹介する。
「ガウンやマスクは2〜3回は再利用せざるを得ない状況」
COVID-19は中国の武漢で始まり、世界でも200万人近くの感染者が出ている新たな感染症である。本ニーズソンにインプット側として参加した匿名の医師によると、軽症が80%、中等症が15%、人工呼吸器が必要だったり、全身の機能不全に陥ったりする重傷者が5%ほどで、重傷者の半分ぐらいが亡くなっているという。
同医師が勤務する病院でも、日々COVID-19陽性者の対応に追われている。最初は呼吸器内科や救急科などの専門分野野医師が担当していたが、院内でも患者の数が増えており、内科医などが中等症や重症を診たり、外科や耳鼻科、眼科など専門外の医師も軽症の症例を見たりしているという。ガウンやマスクのような感染防御具も不足しており、本当は使い捨てが望ましいものの、2〜3回は再利用せざるを得ない状況と語った。
「通常通りの生活に戻りたい、妻や子供に早く会いたい」
続いては、三次救急を受け入れる市中の専門病院に勤めている匿名の看護師の報告。ニュースなどでも話題になっているように、個人防護具は不足している状況が語られらた。同病院では4月に入った段階から、サージカルマスクは1人週に2枚しか支給されず、N95マスク、長袖エプロ、帽子、手袋がいつなくなるのかという不安もあるという。
同看護師は予定手術の再開や、閉鎖病棟の再開など、平時の医療をいつから提供できるのか、もしかすると、今後提供できないのではないかという懸念があると語った。看護師はCOVID-19の対応に追われ、妻子と別居しているため、「通常通りの生活に戻りたい、妻や子供に早く会いたい」と想いを語る場面もあった。
「1ヵ月半ほど対応しており、メンタルもそろそろ限界」
続いては、二次救急医療機関の市中病院で働く看護師からの報告。看護師は患者に最も近い距離で接しているため、恐怖を感じているという。陽性患者や限りなく陽性に近い患者と接するとき、看護師も感染症に対する知識がエキスパート並みではなく、勉強しながら看護を提供している状況とのこと。
医療者は濃厚接触者になり、病院機能を低下させてしまうのではないかと懸念しており、感染しないように神経をすり減らしているという。同看護師が働く病院でも1ヵ月半ほど対応しており、メンタルもそろそろ限界。最初は「これは災害だ」、「市民の命を救うんだ」という気持ちがあったが、1ヵ月続くとしんどくなってきている、と正直な気持ちを話した。