親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定 第63回
休校で学生のYouTube・ゲーム利用時間が急増中
「かわいそうだから」で子どものスマホ長時間利用を許さないで
2020年05月05日 09時00分更新
子どもたちのYouTube・ゲーム利用時間は急増中
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、全国的に緊急事態宣言が発令され、多くの学校で休校状態が続いている。部活や習い事なども休止状態となり、基本的に自宅に引きこもる生活が続いている。それに伴って、子どもたちのYouTubeやゲームの利用時間が急増中だ。実態と対策について解説したい。
15~19歳の女性を対象としたTT総研の「10代女性への新型コロナウイルスの影響」(2020年4月)によると、新型コロナウイルスの影響で直近1ヵ月で増えた時間について聞いたところ、「SNS」が78.4%で最多に。続いて、「ゲーム」(58.1%)、「テレビ」(55.2%)、「ゲームアプリ」(46.0%)となった。ゲームやSNS、スマホに対する依存度が強くなっていることがわかる。
具体的に増えたSNSについても聞いたところ、「YouTubeを今まで以上に見るようになった」が79.7%と約8割に上った。他のSNSについても今まで以上に見るようになっており、「Twitter」(66.3%)、「Instagram」(62.9%)、「TikTok」(30.5%)などが増加していた。また、Twitter・Instagram・TikTokは8%強が投稿も増えていた。
なお、初めて利用したオンラインサービス1位は「AbemaTV(現・ABEMA)」(11.4%)であり、「Amazonプライム・ビデオ」(7.9%)、「Spotify」(6.0%)、「Hulu」(4.8%)、「Netflix」(4.1%)、「AppleMusic」(3.5%)などの有料動画配信サービス、音楽配信サービスの初めての利用が増えていた。暇にあかして動画、SNS、音楽を利用している子どもたちが多いことがよくわかるだろう。
「かわいそうだから」で長時間利用はNG
「午前3時までゲームをやってしまい、起きたら昼だった」「あるYouTuberの過去動画を全部見るのにハマっている。気づいたら13時間くらい見続けていて自分でもびっくりした」
休校が続く今、こういう話をしている学生は多い。普段はそれほど利用していなかったある中学生も、「不安もあるし、部活もやれないし、気づくとスマホに向かっている」という。学校に行けない上、やりたいことがやれずに、その時間がスマホに集中してしまっているのだ。
「かわいそうでつい長時間利用を許してしまった」「気づいたら子どもが延々と利用していた」という話を複数の保護者から聞いた。生活習慣が一度崩れ始めると、学校が再開しても元の生活に戻れなくなる危険性がある。子どものために、必ず利用時間についてのルールを決めて、利用時間制限機能を活用しよう。
iPhoneやiPadなどのiOS端末は「スクリーンタイム」機能、Android端末は「ファミリーリンク」機能を使えば、カテゴリーごとに利用時間制限などができる。ゲーム機Switchは、「ニンテンドーみまもりSwitch」機能を使うと、やはり利用時間制限ができるので、それぞれ活用してほしい。
この休校時に「ニンテンドーみまもりSwitch」や子どものスマホアプリ利用を管理するドコモの「あんしんモード」などの利用が伸びているという調査結果もある。スマホやネットとの付き合い方を親子でしっかりと考えるべき時と言えるだろう。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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