10代男性の「自分の個人情報を守れている意識」は全年代トップ
デジタルネイティブ世代である10代男性は、実は個人情報・プライバシー意識が高いようだ。マカフィー&MMD研究所による「日本における個人情報とプライバシーに関する意識調査(2019年9月)」(https://blogs.mcafee.jp/think-cons-privacy#i-3)の結果を見ていきたい。
「自分の個人情報を守れていると思うか」という質問に対して、10代男性は24.1%が「はい」と回答しており、これは全年代・性別におけるトップだった。なお、一番低いのは40代女性の9.4%だ。
「根拠のない自信なのでは」と考えるのは簡単だが、どうも根拠がありそうなのだ。
10代男性が他年代よりしている安全のための工夫
先ほど記したように、「スマートフォン利用時自分のデータを守るための行動をしているか」という質問に対して「はい」という回答は、全年代平均が14.7%に対して10代男性は24.1%となっている。10代男性についてさらに質問していった結果が大変興味深い。
具体的には、「セキュリティソフトの導入」「パスワードをサービス毎に変更」「ブラウザのCookie削除」は全年代平均より低いものの、「メールアドレスを複数使い分け」「URLの https:// SSL確認」「シークレットモードの利用」は逆に高くなっているのだ。
それだけではなく、「アプリをインストールするときに確認すること」について聞いた結果も興味深い。「App StoreやGoogle Playのレビュー数」「App StoreやGoogle Playの評価スコア」「App StoreやGoogle Playのレビュー内容」「アプリのDL数」「プライバシーポリシーを読む」はすべて、全年代平均よりも高くなっている。SNS世代らしく、口コミや実績などを大切にしてアプリの信頼性を確認しているというわけだ。
10代男性は、コストこそかけないものの、手間をかけたり、クチコミを調べたりして、自分の個人情報やプライバシーを守る工夫を実際にしていることがわかる。「守れている」という回答が他の年代よりも高いことには理由があったのだ。
デジタルネイティブ世代は、我々が思っているよりもセキュリティー意識が高い面がありそうだ。むしろ我々が彼らから学ぶべきこともあるのではないだろうか。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki
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