現代社会は、プライバシーに無意識ではいられない
ネット上でのプライバシーや、個人情報管理のあり方などは、近年、ますます話題になることが増えてきている。
2019年は、企業が会員の十分な同意を得ないまま個人情報を販売したことが明らかになったり、不正アクセスによってキャッシュレス決済サービスが停止に追い込まれたりするなど、さまざまなところで、個人情報の管理のあり方が問われた年になった。
もちろん、中には、明らかに個人情報を入力してはいけないサービスもある。たとえば、違法にマンガや映像コンテンツを配信している海賊版サイトだ。それらの中には、ユーザー登録することで、動画の違法共有(アップロード/ダウンロード)、共有履歴が確認できたりする権利が付与される場合もある。しかし、サイトユーザー登録の際に使ったメールアドレス、海賊版サイトの使用履歴、スマートフォンの位置情報などを悪用するサイトも多い。
違法なサイトを利用しないのは当然のことだ。しかし、匿名をうたっていても、Webサービス側の管理がずさんだった場合、たやすく身元が判明してしまう可能性があることも覚えておきたい。ネットに一度でも個人情報が残ってしまい、それが拡散されてしまうと、消すことはむずかしい。
個人情報を詰め込んだスマートフォンやパソコンで、ネットに接続することが当たり前の時代。企業側としては、そのデータを有効活用したいと思うだろうが、ユーザー側としては「無断で使われるのでは?」と、不安になることも多いだろう。
一方で、SNSの利用や、ネットショッピングを楽しむにあたって、まったく個人情報を入力しない、というのも、あまり現実的ではないといえる。大事なのは、プライバシーを守る意識をもち、リスクには気をつけることだ。