今年も「Snapdragon Tech Summit」開催
Snapdragonファミリーが多数登場
クアルコムは米国ハワイ州のマウイ島で、12月3~5日(現地時間)の3日間に渡り、自社イベント「Snapdragon Tech Summit」を開催する。初日にあたる3日には、クアルコムの社長、クリスティアーノ・アモン氏らが基調講演に登壇。次期ハイエンドモデル向けチップセットの「Snapdragon 865」や、5Gモデムを統合したミドルハイ向けの「Snapdragon 765」、さらにそれをゲーム用途に拡大した「Snapdragon 765G」が発表された。
クアルコムのアモン氏は、基調講演の冒頭で5Gの普及状況や今後の見通しを解説。世界各国で5Gは順調にサービスを開始しており、2020年には契約者数が合計で2億人を超えるという。その数字は、2025年までにさらに大きな伸びをみせ、28億に達する見込みだ。アモン氏によると、「この5Gのポテンシャルは、ミリ波とSub-6の組み合わせで引き出せる」という。
一方で、5Gはまだ開始したばかりで、エリアも4Gに比べると狭い。アモン氏もそれを認めつつ、「まだ始まったばかりで普通のこと」だと語る。こうした状況を解決するカギになるのが、4Gと5Gで周波数を共用する、DSS(ダイナミック・スペクトラム・シェアリング)だ。ドイツ・フランクフルトでは現状で78%のカバレッジだが、DSSを導入し、4Gの周波数帯を5Gに利用することで、それを96%まで引き上げられるとした。
5Gは当初、NSA(ノンスタンドアローン)方式が採用され、4Gのコアネットワークで4Gと5Gの両方を制御する。4Gで広いエリアを構築しつつ、スポット的に5Gを導入し、スループットを上げるイメージだ。これに対し、DSSが普及すれば、エリアも5Gだけで構築できるようになる。さらに第3ステップとして、ミリ波やSub-6のように、大きく異なる周波数帯を束ねて利用するキャリアアグリゲーションの導入も予定する。