スパイ疑惑払拭モードも欲しい
Siriの必要を感じないもう一つの理由は、自分のお金を使って部屋にスパイを置こうとは誰も思わないことだ。過去のいくつかのニュースから、世間にはスマートスピーカーの盗聴を疑っている人がいる。これはアップルの製品に限った話ではないが、実際、マイクロフォンアレイを載せたスマートスピーカーは、物性として音響探知機に近い。
たとえばAlexa向けにワシントン大学が「BreathJunior」という子守アプリを開発したそうだ。これはノイズの反射から赤ん坊の動きを検出し、呼吸状態を監視するというもの。HomePodも設置場所の特性からツイーターの出力を制御しているのなら、音の反射率や反射時間から、部屋の大きさ、形、どこに何が置かれてるのか程度はモデリングできるはずだろう。
もちろんアップルがスパイを目的として、マイクを載せているはずはない。ならば、かかる疑念に対する潔白を証明するため、ネットに接続しなくても動作するモードがあってもいいのではないか。
先代のiPod Hi-Fiにあって、今のHomePodにないもの。それはバッテリー駆動と外部入力端子だ。非ネット依存のバッテリー駆動モデルがあれば、車に積めるし、出先の宿泊施設でも使える。せっかくBluetoothチップを積んでいるのだから、ついでにオーディオストリームも受信するようにすれば、BOSEの「PORTABLE HOME SPEAKER」より1万円も安い高性能スピーカーの代表作として、こういう媒体でも専門家が広くアピールできる。
しかし現実的には、アップルが自身のエコシステムから離れた製品を出すようにも思えない。それはもったいないので、いっそオーディオメーカーにでもなればいいのにと、そういう結論に至った次第です。ならないと思いますが。