ブレーキローターやバックファイヤーの瞬間を狙う!
あたりはみるみるうちに暗くなり、さらに雨脚も強くなってきたので一度場所を離れ、屋根のある場所でファインダーに付いた水滴を拭き取ることに。あわせてレンズをEF70-200mm F2.8L IS II USMへと交換して馬の背コーナーへ。赤熱化したブレーキローターや、排気管から見えるバックファイアーが見られるのではないかと期待して撮影に挑みます。
このポイントは、フェンスが高いので脚立などが必要になりますし、SPスタンドやパドックからかなり歩くので大変ですが、SUGOを訪れた際は「馬の背」の侵入の撮影に挑戦してください。
次は急減速しながら右へ曲がる車を追ってみたいと思います。カメラの設定は、スポット1点AFで、露出モードはマニュアル、シャッタースピードは1/200、絞りはF5.6、感度は800という設定で、75~100mmまでズームリングを回しながら撮影しています。
ズームレンズを回しながらの撮影は確実にピンぼけの要因になるのでオススメはできませんが、今回は意地悪をして試してみました。
ズームリングを回している所は明らかにAFの合焦はしないのですが、その次のコマでは喰らいついていたのは立派です。この撮影では中央のスポット1点AFですが、ローター狙いなら測距点を右下側に配置するのがベストアンサー。排気管狙いならより望遠のレンズで11コマ目から連射をかけていくのがよいかと思います。
ある程度撮影したところで、セーフティーカーが導入されてレースが一旦中断したので場所を移動。さらに雨も強くなってきたので、装備をサンニッパを取り付けたEOS 90Dだけで、3コーナーアウト側へ。より一層、周囲は暗くなり、濡れたファインダーにレンズを通した車のヘッドライトが入ると、光芒が出てまったく見えない状況に。よってスポット1点AFでの撮影を諦め、ゾーンAFに変更。カメラ任せで撮ることにします。
これが大正解で、以前とアルゴリズムが違うのか、結構ガチっとピントが合っています。ゾーンAFモードは昔EOS 7D Mark IIで使ったことはあったのですが、面で捉えるためガチっとしたピントを得ることは難しい印象で、それゆえスポット1点AFを使うようになった身としてはうれしい限り。ゾーンAFでしたら「枠がデカいから簡単に撮れる」というわけです。試してはいないのですが、45点自動選択AFでもガンガン撮れるのではないか? という期待も膨らんでしまいます。
さらに驚いたのは、強いライトの光が入ってもAFが迷うことなく追従すること。EOS 7D Mark IIでは時々AFが迷っていただけに、これはありがたい改良です。カメラ任せで印象的な写真が簡単に撮れてしまうEOS 90D、実に恐ろしい一台です。