シャープは9月30日、第5世代移動通信方式(5G)を使用し、高速走行中の新幹線に高精細8K映像コンテンツを伝送する実証試験に成功したと発表。NTTドコモおよび東海旅客鉄道(JR東海)との連携によるもの。
実証試験は9月1日/3日/5日に静岡県富士市(三島駅~新富士駅間)において、JR東海が運行する東海道新幹線N700S確認試験車で実施した。東海道新幹線沿線の3ヵ所に実験用5G基地局を設置し、時速283kmで走行する新幹線に向けて、あらかじめ収録した高精細8K映像コンテンツを周波数帯28GHzの5G無線で送信。N700S確認試験車内に設置した実験用5G移動端末を介して、シャープ製の8K対応液晶テレビ「8T-C60AW1」に伝送した。走行中に接続する地上基地局が切り替わっても、8K映像が途切れず表示されることも確認できたという。
本実証により、高速鉄道の乗客向けに高精細映像を配信するサービスなど、新たな可能性が広がるとした。シャープは5Gを活用した8K伝送の実用化に向け、今後もさまざまなシーンでの実証実験を推進し、新サービス創出を目指すとしている。