OC運用でRTX 2080に近い性能を目指す
さて、ここからはベンチマークで「ROG-STRIX-RTX2070S-A8G-GAMING」の性能を見ていこう。とはいえRTX 2070 SUPERの性能の概要はすでに周知されていると思うので、本稿ではRTX 2080とOCして比べてみようと思う。というのも、RTX 2070 SUPERはRTX 2080と同じくTU104ベースになっているGPUで、その素性はかなり。ゆえに、RTX 2080搭載ビデオカードの価格帯は現在税込みで7万円台後半から10万円を超えるものまでさまざまあるが、OC利用すればRTX 2070 SUPERでもRTX 2080級の性能が安く手に入るかもしれない。
そこで、今回は工場出荷時の状態であるGaming Modeでの計測のほか、「GPU Tweak II」を利用してブーストクロックを1850MHzまで引き上げたOC状態でのスコアーも計測してみた。比較機としてはASUSのGeForce RTX 2080搭載ビデオカード「TURBO-RTX2080-8G」を用意。なお、言わずもがなだがマニュアルOCは自己責任となり、故障しても保証が受けられないので注意しよう。
検証環境は以下の通り。
検証用PCの主なスペック | |
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CPU | Intel「Core i9-9900K」(8C/16T、3.6~5GHz) |
CPUクーラー | NZXT「Kraken X72」(簡易水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | ASUS「ROG STRIX Z390-F GAMING」(Intel Z390) |
メモリー | Kingston「HX432C16FB3AK2/16」(DDR4-3200 8GB×2、DDR4-2666で運用) |
グラフィックス | ASUS「ROG-STRIX-RTX2070S-A8G-GAMING」(GeForce RTX 2070 SUPER)、ASUS「TURBO-RTX2080-8G」(GeForce RTX 2080) |
ストレージ | Intel「760p SSDPEKKW512G8XT」(M.2 NVMe、512GB SSD、システムドライブ運用) |
電源ユニット | Seasonic「SSR-1000GD」(1000W、80 PLUS GOLD) |
OS | Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」(May 2019 Update適用) |
OC時はRTX 2080に肉迫するスコアー、個体次第では超えられるかも
まずは、3D描画性能を確認できる定番ベンチマークソフト「3DMark v2.10.6762」の結果だ。プリセットは「Time Spy」、「Time Spy Extreme」、「Fire Strike」、「Fire Strike Ultra」、「Fire Strike Extreme」の5種類を選択した。
「Time Spy」のスコアーで見た場合、「ROG-STRIX-RTX2070S-A8G-GAMING」と「TURBO-RTX2080-8G」の差は600ポイントとそこそこ開いているものの、OC時には100ポイント以下にまで差が縮まっている。重めのテストでは微々たる差だが、より軽い「Fire Strike」では1500ポイントものスコアーアップを果たしており、OCする意義はあると言えるだろう。とはいえ、やはりRTX 2080を超えるのはなかなか難しいようだ。
「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」では、描画品質を「最高品質」、解像度をフルHD(1920×1080ドット)、WQHD(2560×1440ドット)、4K(3840×2160ドット)の3種類に設定した際のスコアーを計測している。
ここでも「ROG-STRIX-RTX2070S-A8G-GAMING」は「TURBO-RTX2080-8G」を上回る結果は出せていないものの、OC時にはほとんど変わらないスコアーにまで迫ることに成功している。1~2%ほどのスコアーアップではあるが、少しでも性能を稼ぎたい場合は有用だ。
「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION」のベンチマークスコアをチェックしていこう。描画品質は「高画質」で、解像度は先ほどのテストと同じくフルHD、WQHD、4Kの3種類で計測している。
このテストでも傾向はほぼ同じ。今回は1850MHzまでのOCが限界だったが、それでもRTX 2080の性能に肉薄できているのは注目すべきポイントだろう。よりOC耐性の高いGPUチップが搭載された個体であれば、RTX 2080超えもあり得ると言えそうだ。