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インフラ技術本部を支える安心感と迅速な対応

ヤマトシステム開発が抱いていたAzureへの不安、解消できたのはFIXERだから

2019年10月17日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曾根田元

提供: FIXER

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 Azure Expert MSP(Managed Service Provider)としての知見とマイクロソフトとの緊密な連携を強みとするFIXERの「cloud.config」。そんなcloud.configを活用することで、自信を持ってパブリッククラウドでのインフラ運用を進めているのがヤマトシステム開発(以下、YSD)だ。同社のインフラ技術本部の3人と彼らを支えるFIXERのチームに話を聞いた。(以下、敬称略 インタビュアー アスキー編集部 大谷イビサ)

知見がない、中身が見えない、手軽すぎるパブリッククラウドの不安

 グループ会社の56社のほか、グループ外でも物流・通販のシステムやSIなどを手がけるヤマトシステム開発。同社のインフラ技術本部は長らくオンプレミスでのサーバーやネットワークの構築・運用を手がけていたが、2010年頃にはグループ内で利用可能なプライベートクラウドを構築し、パブリッククラウドに関しても、2016年頃から本格的な展開を開始している。

 マルチクラウド戦略の中、同社は2016年からMicrosoft Azureでの構築・運用を手がけている。しかし、長らくオンプレミスでのシステム構築・運用になれてきたインフラ技術本部にとってパブリッククラウドは未知の存在だった。まずはインフラ技術本部にとって、パブリッククラウドとはどう見えたのか?を聞いてみた。

YSD西田:AzureでLinuxが利用できるようになり、プライベートクラウドと同等なシステム構成が実現できるとわかったため、Azureの活用を始めました。とはいえ、当時は知見がなかったので、ワーキンググループを発足して情報を収集しながら、利用範囲を拡大しました。

ヤマトシステム開発 インフラ技術本部 ICT基盤運用品質グループ チーフスペシャリスト 西田拓矢氏

YSD伊吹:長らくオンプレミスのインフラ運用を手がけてきたのですが、パブリッククラウドだとどうしても見えない部分があります。ユーザーからの問い合わせに迅速に応えられないことや、セキュリティに対する漠然とした不安があり、手をこまねいていたのも事実です。

YSD茂木:クラウドは「速い」「簡単」「安い」と謳われているので、いざアカウントを作ってみると、自分の知見もないなかで、課金が発生してしまうということに対する不安がありました。手軽すぎるが故の不安と言えるかもしれません。

 そんなヤマトシステム開発がMicrosoft Azureの構築・運用のパートナーとして選んだのが、今年6月に米マイクロソフトのAzureパートナー認定プログラムの最高位「Azure Expert MSP」を取得したクラウドインテグレーターのFIXERだ。

YSD西田氏:2014年にFIXERの代表である松岡さんが書かれていたAzureに関する記事を読んで、FIXERさんのことは存じていました。メディアで調べれば、「Azure=FIXER」でしたし、Azureの知見という意味ではFIXERさんがダントツだった思います。

開発・運用チームのリクエストに対応すべく、両社で緊密に連携

 西田氏が率いるパブリッククラウドチームは、新規案件やリプレースの案件でのクラウド導入を手がけている。アプリケーションの開発チーム、運用チームとの連携は不可欠だが、両チームの持っている不安や課題を解消するのも重要な役割だ。

YSD西田:我々のチームも所属するインフラ運用のチームとは別にアプリケーションを開発するチームと、運用するチームがいます。開発や運用チームからのリクエストは多彩です。たとえば、Azureサービスの物理的な構成に関する問い合わせがあったりしますが、公開ドキュメント情報ではわからない部分もあります。また、新規案件も増えており、今まで導入経験のないアーキテクチャも調べる必要があります。

YSD伊吹:インフラ運用チームの中でも、オンプレミス運用の考え方をもつメンバーも多いので、両者の違いに関する問い合わせは多いため、早くパブリッククラウドの知見、運用ノウハウを溜める必要がありました。

ヤマトシステム開発 インフラ技術部 大阪インフラマネジメントグループ 大阪IDCインフラ アシスタントマネージャー 伊吹昌紘氏

YSD茂木:開発や運用チームからは、インフラ運用チームはどこまでサポートしてくれるのか?という質問は多いです。IaaSだとわれわれが担当する範囲は明確ですが、PaaSの場合はパブリッククラウド事業者、インフラ運用チーム、アプリ開発チームの責任分界点が難しいところです。

 こうしたヤマトシステム開発の課題感に対して、FIXERは「cloud.config」というAzureの構築・運用を支援する24/365フルマネージドサービスを提供している。ヤマトシステム開発のインフラ運用チームはFIXERと連携することで、こうした開発・運用チームの不安や課題を解消している。

FIXER小林:私がマネージャーを務めているcloud.config Divisionは、24時間365日の監視と障害対応、テクニカルアカウントマネージャー(TAM)による技術サポートを提供しています。ヤマトシステム開発さんに関しては、弊社の尾崎と関根がTAMとして対応させてもらっています。

FIXER cloud config Division General Manager 小林勲氏

FIXER関根:月間で数十件くらいの問い合わせをいただいているのですが、いわゆるインフラ、IaaSに関する問い合わせよりも、PaaS独自のふるまいについて聞かれることが多いですね。公開情報を調べきれないという場合に、われわれのナレッジとマイクロソフトとのリレーションを活かし、迅速に対応できるようにしています。できそうだけど難しいという、かゆいところに手が届くサポートを手がけています。

FIXER尾崎:最新のサービスも含め、Azureを幅広く利用していただいているので、最新情報やトラブル対応も含めて対応しています。単に聞かれたことに応えるだけではなく、ヤマトシステム開発さんが現在取り組んでいることを理解し、プラスαの参考情報もすぐに応えられるよう、日々心がけています。

FIXER Cloud Solutions Engineer 尾崎仁美氏

精度の高い情報と検証で「大丈夫です」と言ってくれる安心感

 クラウド専業のFIXERをパートナーとしたことで、ヤマトシステム開発はどのようなメリットを得たのだろうか? 聞いてみると、対応のスピードやプロフェッショナルならではの知見、そして顧客の立場に立った情報提供など、さまざまなフィードバックが得られたという。

YSD西田:当初、FIXERさんとのインシデント管理で利用していたツールでは、スピーディなQ&Aが難しかったです。その後、こちらの要望も取り入れてもらいながら導入された、ServiceDesk Plus(Zoho)ベースのコミュニケーションになってからは、品質が目に見えて上がりました。サービスチケットに対して、誰が担当者でアサインされたのか、どういう状況なのか、ほぼリアルタイムに把握できるので、大変助かります。こちらの難しいリクエストにも迅速に応えていただいていますし、ユーザーの立場に立って、マイクロソフトさんから回答を引き出してくれるのもありがたいですね。

YSD伊吹:我々が『これで動くはず』と考えていることを、事例や検証によって『大丈夫です』と言ってくれるのが助かります。確かにインターネットで調べれば、いろいろな情報が出てきますが、裏取りのある情報という点でFIXERさんの情報はありがたいです。

YSD茂木:問い合わせてもよいか判断に迷う内容でも、丁寧にご回答いただいています。回答が難しい場合も、参考情報をいただけるので、助かっています。
私たちはパブリッククラウド専業のチームですが、現業の課題を抱えているインフラ運用チームのメンバーもいます。ですから、我々がFIXERさんから得た情報やナレッジは、多くのメンバーに共有していきたいと思います。

ヤマトシステム開発 インフラ技術本部 ICT基盤運用品質グループ チーフ 茂木亜実氏

 エンタープライズの利用の多いAzureのユーザーを強力にサポートすべく、FIXERもAzure Expert MSPを取得し、社内体制やツールも刷新した。ヤマトシステム開発が評価した対応スピードの速さも、こうした企業努力の表れと言えよう。

FIXER小林:Azure Expert MSPを取得する段階で、ITSMS(ITサービスマネジメントシステム)の認定も必要になりました。もちろん、サービスデスクの体制はあったのですが、いいツールがなかったので、今はチケットやインシデントまで一括管理できるServiceDesk Plusを導入し、お客様にも利用してもらっています。

FIXER関根:現在、FIXERは問い合わせからの初動開始を1時間以内と定義しています。早期に対応を開始し、英語の資料を読み込んだり、マイクロソフトとのコミュニティと連携したり、フィードバックサイトに問い合わせたりして、情報を収集します。時間がかかる相談もあるのですが、とにかくわかるところから一報を出すようにします。今はヤマトシステム開発さんとの連絡フローも確立していますし、スピーディに対応できます。

FIXER Group Leader / Managed Service Specialist 関根繁治氏

最終的に動くかどうかは、弊社内で実証してからお応えしています。リージョンによってバージョンが違うので、日本では動かないけど、海外では動くということもありますし、動くまでは安心できないですね。

パブリッククラウドの知見をFIXERからどんどん吸収したい

 現在、ヤマトシステム開発が利用しているのはAzureのサービスのうち、IaaSとPaaSの一部になる。最近のAzureはコンテナの利活用も容易になり、データ活用に関してはBLOB、データレイク、ETLまで、Azureで一気通貫で提供できるようになっている。こうした中、幅広い分野でパブリッククラウドのノウハウを吸収したいというのが、インフラ技術本部の方向性だ。

YSD西田:単純に開発や運用のリクエストを聞くだけではなく、パブリッククラウドならではの知見や考え方を他のチームに普及させていくことも重要です。最近のリフト&シフトの考え方でも、シフトまで進めるのは我々インフラ運用チームだけでは難しいですよね。クラウドネイティブなアプリケーションの考え方を、開発や運用チームにも知ってもらい、クラウドをもっと活かせる取り組みをこれからやっていきます。

もちろん、SoR(System of Record)と呼ばれる基幹システムの領域も、現在の運用では立ちゆかないので、自動化等による生産性向上が必要になります。Azure活用を進める中、我々がお客様のビジネスに対して支援できる部分を、FIXERさんといっしょに見つけていきたいなと思います。

YSD伊吹:まだまだパブリッククラウドの知見は足りない状況です。オンプレミスだと一度システムを作ったらFIXするので、使っているミドルウェアやツールもそのまま運用を変えずに済むのですが、パブリッククラウドはどんどん変わっていきます。サーバーに関してもリソースが足りなければ、パブリッククラウドは柔軟に容量や性能を拡張できます。

こうした知見や新しいサービスの提案、スキルアップに必要な情報などもFIXERさんから積極的に吸収したいと思います。運用現場では安定稼働が重要なのですが、新規案件では新しいインフラや改善提案も期待されているので、そのあたりをバランスよく提供できるかが、これからの課題になると思います。

YSD茂木:そろそろAzureの全体管理に目を向けていきたいです。Azureベースのシステムが増え、コストがかかるようになってきたので、全体像を把握したり、逆に細かく見るのがそろそろ難しくなっています。セキュリティ的に間違った設定をしていないかも不安になります。そういった管理の部分をFIXERさんからいろいろ学びたいと考えています。。

 これに対して、FIXERも単にリクエストに応えるだけではなく、アクティブに改善提案を進めていく。顧客に改善を進め、クラウドネイティブな活用を進めていくのは、Azure Expert MSPとしての使命だからだ。

FIXER小林:MSPとしては、ガバナンスを効かせるための仕組み作りやサポート、開発と運用をつなぐDevOpsを支える基盤も求められています。こうした部分でヤマトシステム開発さんを後方支援し、西田さんたちを存在感のあるチームとして盛り上げていきたいと思っています。

(提供:FIXER)

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