シングルスレッド性能もインテルに迫るRyzen 5 3600にGeForce RTX 2060を搭載
第3世代Ryzen 5の性能に驚き、しっかり冷却しゲームが快適なコンパクトPC
2019年08月28日 09時00分更新
高負荷のゲームも実況配信も余裕にこなせる性能を発揮
続いてゲーミング性能を見てみよう。こちらも定番となる、比較的軽量な「漆黒のヴィランズ ベンチマーク - ファイナルファンタジーXIV」(以下、FFXIVベンチ)と、重量級の「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(以下、FFXVベンチ)を試してみた。設定はどちらも1920×1080ドット・フルスクリーンとし、画質はFFXIVベンチが最高品質、FFXVベンチが高品質とした。
結果はFFXIVベンチが「非常に快適」、FF15ベンチでも「快適」となっており、ほとんどのゲームが高画質設定で不満なく遊べるレベルにあるといえるだろう。
CPU負荷が少し気になったのでタスクマネージャーを開いてみたのだが、FF14ベンチでは実コアの内2つに負荷が集中しがちだったものの、全体的な使用率は40%前後にとどまっていた。FF15ベンチは実コア6つ共にそれなりに負荷がかかったうえ、さらに論理コア2つにも高めの負荷がかかるという状態だった。
とはいえ、全体の負荷として見れば高くても60%程度なので、まだまだ余裕はある。ゲームの実況配信をするにしても、よほどの高画質配信を目指さない限り1台で問題ないレベルだ。
Hyper 212 EVOの冷却性能が快適な稼働を実現
G-Master Spear X570A-Miniに搭載されているRyzen 5 3600の性能がCore i7-9700K並みとわかると、気になるのが発熱の問題だ。いくら性能が高くても安全な温度範囲でなければ不安になるし、長時間使うのもためらわれてしまう。
とはいえ騒音をチェックしてみた限り、CINEBENCHの実行中はほとんど音は気にならず、FFベンチ中に少しファンの音が気になるかなといった程度で、全体的に静か。これだけでもCPUに関しては十分冷やされていることがわかるのだが、それでもやはり温度は気になるところだ。
そこで、CINEBENCH R20を5回連続実行した後、1分半ほど何もせずアイドル状態にした場合のCPU温度と動作クロックの変化をチェックしてみた。この数値の測定には、「HWiNFO」を使用。ログ保存機能を使って約2秒ごとに数値をチェックし、グラフにした。なお、動作クロックは6つあるコアの平均値としている。
結果は見てのとおりで、動作クロックは1回目こそ若干高めなものの、2回目以降は平均4.06GHz前後で安定。ところどころ動作クロックが落ちているのは、CINEBENCH R20が終了し、次に実行するまでの間であって、エラーとかの影響ではない。
温度を見てみるとこちらも1回目はじりじりと上昇しているものの、2回目以降はほぼ安定し、70度にギリギリ届かないというラインを死守していた。これだけの性能のあるCPUを70度以下に保てるというのは、リテールクーラーではなく、Hyper 212 EVOを採用しているというのも大きいだろう。これだけの冷却性能があれば、BTOでカスタマイズして、さらに上位のRyzen 7シリーズを搭載しても問題なく動いてくれそうだ。
ゲームはもちろん、趣味も仕事もオールマイティにこなせるコンパクトなパソコン
Micro-ATXを採用したコンパクトなボディーに最新のRyzenシリーズを搭載したG-Master Spear X570A-Mini。今回試した構成はミドルクラスとなるRyzen 5 3600+GeForce RTX 2060という組み合わせだったが、フルHDでゲームを余裕でこなせるほどの高い実力を持ったマシンとなっていた。
これをベースに気になる部分を強化するのはもちろん、逆にここまでの性能はいらないからもう少し安くするといった好みのカスタマイズができるというのが、BTOパソコンのメリットでもある。小型でありながら仕事から趣味、そしてゲームまで、1台で何でもこなせるパワフルなパソコンが欲しければ、一度チェックしてみてほしい。飾らない端正なデザインも含め、きっと気に入るはずだ。