ディズニー/ピクサー最新作『トイ・ストーリー4』が7月12日に全国公開された。全米の興行収入ランキングでは、2週連続で首位に輝いており、「ティッシュを使い切るほどの涙を誘う映画になっている(『BUSINESS INSIDER』)」や、「3作目におもちゃたちが硬く手を握りあうシーンに涙した観客は『トイ・ストーリー4』で再度、胸がつまる体験をするだろう(『CNN.com』)」など、泣ける映画としても大評判な今作。
今回はピクサー歴23年で、『トイ・ストーリー2』や『モンスターズ・インク』などの大ヒット作に携わってきたマーク・ニールセン プロデューサーにインタビューを実施した。
『トイ・ストーリー4』を作ったワケ
── どうして『トイ・ストーリー4』を作ることに決まったのですか?
『トイ・ストーリー3』は、本当に素晴らしく美しいエンディングで終わっています。確かに、アンディとウッディのストーリーは終わったと思いますが、「ウッディの物語としては、皆さんにまだお話できるものがあるのではないか」と思いました。エグゼクティブ・プロデューサーのアンドリュー・スタントンが「ウッディとボー・ピープが再会する機会を作ることで、ウッディのストーリーを語ったらどうか」というアイデアを持っていました。これは非常に面白くてワクワクするアイデアだということで、今回の作品を作ることになりました。
── 今作の製作にあたって、1作目から3作目までと何か違う点はありました?
今回は今までの作品と比べて、もっと難しかったです。ウッディは作品のなかで、主人公としていろんなことを1作目〜3作目まで学んできました。今回、4作目を作るからには新しいことを学ぶとか、今までとは違うことを発見するとか、驚きがなければ作る意味がなくなってしまいます。私たちは本当にキャラクターのことを大事に思っています。せっかく作品を作るなら、今までの作品をダメにするようなものは作りたくないし、失敗もしたくない。だから、新しく作品を作る価値を与えるようなものにするため、時間もエネルギーも一生懸命費やしました。ほかのクルーのメンバーも同じだと思います。
おもちゃは両親のようなもの
── ウッディは子供のことを第1に考える父親のような存在でしたが、今作のラストでは大きな決断を下します。家族像に関して、何か気にしていることってありますか?
おっしゃるとおり、私たちはおもちゃというのは、ある意味では両親のような役割をしていると思っています。親の仕事というのは子供の面倒を見ることだから、ウッディは今までだったらアンディ、今回だったらボニーのことを考えています。今回は(ボニーのお気に入りで、新キャラクターの)フォーキーがあちこちに逃げ出してしまうときに、ウッディはRVから飛び出してでも、ボニーのために頑張るわけなんですよね。おもちゃのキャラクターのなかには、そういう子供の面倒を見たいという親の姿が描かれていると思います。
── 英語版ではウッディをトム・ハンクスさんが演じています。以前から気になっていたんですが、このキャスティングは父親像を意識したものですか?
実は、最初の作品でキャスティングした頃、彼はまだ大作に出演していませんでした。『スプラッシュ』とかには出てましたけど、いまの皆さんご存じのトム・ハンクスにはまだなっていないというか、知られていませんでした。今は「アメリカの父」というふうに言われるんですが、当時はそういう時期ではなかったんです。彼をキャスティングしたのは、やはり声が理由です。私たちは俳優さんをキャスティングするとき、別の声を作ってほしいのではなく、もとからの声があうから選びます。ちょっとピッチの高くて、ちょっと気を遣っているような、心配しているような、そういう声の特徴がキャスティング理由です。
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