Core i9-9900KのOC状態を巨大な360mmラジエーターが強力に冷やす!
Core i9全コア5GHz動作をひと足先に「G-Master Hydro Z390 Extreme OC」が実現!
2019年06月11日 11時00分更新
まずは全コア5GHz動作のCPU性能チェックから
一番気になっているであろう、全コア5GHz動作でのCPU性能の変化を見てみよう。試したのは、CPU性能ベンチマークソフトの定番となる、「CINEBENCH R15」と「CINEBENCH R20」。基本的なテスト内容は変わらないのだが、使用するデータサイズの違いにより、CINEBENCH R20のほうがより重たいテストとなっている。
このテスト結果をグラフにまとめたのが、次のものだ。
全てのコアを使って計算する「CPU」スコアでの比較となるグラフだが、どちらも全コア5GHz OC設定のほうがスコアが伸びているものの、CINEBENCH R20ではその伸びがわずかしかない。伸び率を計算してみると、CINEBENCH R15では約5.7%あったものの、CINEBENCH R20ではわずか約0.7%に過ぎなかった。動作クロック比からの期待伸び率を計算してみると約6.4%ほどあるはずなのだが、結果は大きく違っていた。
実は「G-Master Hydro Z390 Extreme OC」のオーバークロック設定は、AVX2を使わない動作時に限ったものとなっている。これはAVX2のCPU負荷が非常に高く、オーバークロック時の安定性に不安が残るための設定だ。これにより、CINEBENCH R15ではAVX2を使わないため期待に近い伸び率を示しているが、CINEBENCH R20のようにAVX2に対応したものでは性能がほとんど変わらない結果となったわけだ。
多くのソフトではAVX2を使わないため、CINEBENCH R15と同様な性能上昇が期待できるし、AVX2対応のソフトであっても、性能が下がることがないことがわかる結果となった。
もうひとつ、CPUのベンチマークテストとしてCPU-Zのベンチマーク機能を使ってみよう。こちらのスコアを比較したものが、次のグラフだ。
CINEBENCH R15と同じようにオーバークロック設定時のほうがスコアが伸びている様子が確認できた。伸び率を計算してみると約4%。理論値よりは低めとはいえ、同じCPUでこれだけ性能が伸びるのであれば、十分オーバークロックしたうまみがあるといえる。
高負荷が続いた場合のCPU温度はどこまで上がる? ストレステストで確認してみた
CPU-Zのベンチマーク機能には、長時間負荷を加えるストレステスト機能もある。そこで、約10分間負荷を加えたときのCPU温度の変化を調べてみた。なお、CPU温度の取得には「HWiNFO」を使用し、CPU Packageの温度をCPU温度としてグラフにしている。
結果は一目瞭然で、ノーマル状態では75℃前後で安定しているのに対し、オーバークロック時は最大94℃にまで上昇。実に、20℃近い差が出ていた。しかし、それでも100℃までは届いておらず、十分安定した動作が可能な範囲に収まっていた。
また、ストレステスト終了後の温度変化を見てもらえればわかる通り、直後から一気に温度が下がっている。つまりラジエーターの性能は十分高く、CPUからの発熱が抑えられればしっかりと冷やせるということの証左といえる。
もうひとつストレステストとして、インテル純正のオーバークロックツールとなる「Intel Extreme Tuning Utility」を使った場合も試してみた。こちらも同じく10分間負荷をかけてチェックしてみた。
CPU-Zのように一様な負荷ではないようで、CPU温度に変化があるものの、最大温度で比べてもノーマルが70℃、オーバークロック時が82℃と安全圏。動作クロックが乱れているということもなく、安定した動作となっているのが確認できた。
いくら360mmと大きなラジエーターの水冷クーラーを使っていても、冷却性能が間に合わなければ宝の持ち腐れとなってしまうが、この2つのストレステストを見る限り冷却性能は十分高く、全コア5GHzが安定して回せる結果となっているといえる。