NECは5月27日、ヘルスケア事業強化の一環としてAIを活用した創薬事業に本格参入すると発表した。
近年、新薬の開発にはAIによる膨大なデータ処理が求められているが、NECではこれまでがんの創薬研究に高知大学や山口大学と長年にわたり取り組むなど、同社の先端AI技術群「NEC the WISE」の活用範囲を広げている。
創薬事業本格参入の第1弾として、欧米におけるパートナーであるTransgene SAとともに頭頸部がんと卵巣がん向けの個別化ネオアンチゲンワクチンの臨床試験を日本企業で初めて開始する。すでに米国FDAから本治験実施の許可を取得し、イギリスとフランスで申請中という。NECではAI技術を活用してネオアンチゲンの多面的な項目を総合評価し、患者それぞれが持つ多数の候補の中で、有望なネオアンチゲンを選定することができるとしている。
NECでは、本創薬事業の事業価値を2025年に3000億円まで高めることを目指しているという。