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麻倉怜士の「MIPTV 2019」レポート 最終回

日本のテレビ番組は世界に通じるのか? カンヌで見た「ネット配信と4Kの未来」(後編)

2019年05月16日 09時00分更新

文● 麻倉怜士 編集ASCII

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麻倉怜士先生による、カンヌMIPTVレポート。日本のテレビ番組が世界にどう通用するかについて、3回に渡ってレポートしています。前編はこちら

(4)テレビ局がネットに番組を売るトレンド

 次もTreasure Box Japanでのプレゼンテーションだが、テレビ局がテレビ局ではなく、ネット配信業者に売る話だ。テレビ局とはいえ、同業のテレビ局だけが相手ではない。勃興著しい配信サービスこそ、重要な相手なのだ。

●テレビ朝日『恋愛ドラマな恋がしたい』 Sweet Kiss Bitter Kiss

 テレビ朝日が紹介した2つのフォーマットは、配信向けだ。『恋愛ドラマな恋がしたい』は、そもそも配信のAbema TVで2018年春にスタートした人気の恋愛リアリティショー。若手俳優の男女8人が恋愛ドラマの稽古と本番を撮影する過程で恋に落ちる? を視聴者は楽しむ。

「恋愛ドラマな恋がしたい」は、配信のAbemaテレビで2018年春にスタートした人気の恋愛リアリティショー。

 中井幹子・テレビ朝日総合ビジネス局国際ビジネス開発部長は、「ターゲットは10~20代の女性です。Abema TVだから、通常のテレビ番組を見ない人に見てもらうという算段です。ジャンルとしての恋愛リアリティショーは世界的に人気のアイテムで、低予算で製作でき、登場人物はタレントの卵だから、コストも抑えられるます。ここがフォーマットのポイントです。配信の方々に買ってもらいたい。軽く、短い番組がニーズですね」。

このキスは本物?

 番組のアイデア発想が面白い。「Abema TVの若い女性スタッフが、地上波の恋愛ドラマを観ていて、『この二人は設定で恋人どおしになっているけど、あまりにキスが自然。きっと出来ているに違いない』と、思ったことから番組として開発が始まったのです」(同)。

 なるほど、これぞリアリティの原点だ。Treasure Box Japanの反応は? 「特に配信プラットホームからの手応えがあります。中国、韓国、また北米からの関心をいただいています。ニーズが高い“若者向け、恋愛、リアリティ”の要素に加え、"ドラマの稽古と収録本番"という設定が斬新だと、評価されています」(同)。

すでに中国に売れたことをアピール。

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