パナソニックとトヨタ自動車は5月9日、街づくり事業に関する合弁会社の設立に向けた契約を締結したと発表。両社は合弁会社の設立を通じた協業で、パナソニックが進める「くらし」のアップデートの取り組みと、トヨタ自動車が促すモビリティーサービスの取り組みを融合し、街全体で新たな価値の創出を目指すという。
家電や住宅設備などのIoT化や、モビリティーのCASE(融合を意味するConnected、自動化を意味するAutonomous、シェアリングを意味するShared、電動化を意味するElectricのそれぞれ頭文字)、車や公共交通などの移動手段をITでつなぎ、人の移動をシームレスにする「MaaS(Mobility as a Service)」などの進展で、今後急速な変化が進むと考えられる街づくり事業。両社は同事業の成長と発展を模索し、人々のより良い暮らしの実現を目指すとしている。
両社は住宅事業を統合することで、事業基盤も強化する。
パナソニックの津賀一宏社長は「今後、お客様や地域にとって価値ある街づくりには、ハードウェアはもちろん、テクノロジーに支えられたサービスの充実が一層重要になってきます。モビリティー領域をリードするトヨタ自動車と、人の『くらし』に寄り添い続けてきた当社の強みを掛け合わせ、新たな価値の提供に取り組んでいきます。協業を通じて、お客様1人ひとりの『理想のくらし』に向けて進化を続ける街づくりを目指し、挑戦を重ねていきたいと考えています」とコメント。
トヨタ自動車の豊田章男社長は「CASEの進展によって、これから先は人々の暮らしを支える全てのモノ、サービスが情報でつながり、クルマを含めた町全体、社会全体という大きな視野で考えること、すなわち、"コネクティッド・シティ"という発想が必要となります。この実現には『どんな未来を創りたいのか』という目的を共有し、仲間と協調する精神が重要になってくると思います。両社の住宅事業を核としながら、クルマやコネクティッド事業を持つトヨタと、家電や電池、IoT事業を持つパナソニック両社の強みを持ち寄り、競争力を高めながらベターベターの精神で、新たな生活スタイルの提供にチャレンジしていきたいと思います」と述べている。
パナソニックはこれまで街づくり事業で、最先端の技術やサービスを取り入れ、より良い暮らしを追求し、持続的に進化する「サスティナブル・スマートタウン(SST)」をさまざまな企業と開発。トヨタ自動車は、だもが自由で安心快適なモビリティー社会を目指し、車のコネクティッド化を通じて、コネクティッドカー向けの情報インフラ「モビリティサービス・プラットフォーム(MSPF)」を構築。ビッグデータを活用し、社会に貢献する取り組みを推進してきた。