感染して周りに被害を振りまくのはインフルエンザもマルウェアも同じ
マルウェアの感染経路はインフルエンザよりも豊富でタチが悪い
2019年04月25日 07時00分更新
コンピューターウイルス(マルウェア)の感染経路は、物理的接触が不要な分、インフルエンザウイルスよりも豊富でタチが悪い。危ういサイトに行かない、怪しいファイルをクリックしないといった行動が、日々のうがいや手洗いに相当する。
接触が必須のインフルエンザ、接触しなくても感染するマルウェア
インフルエンザウイルスの感染経路は、感染者の咳やくしゃみに含まれる「ウイルス入りの飛沫」をそのまま吸い込んでしまうルート、あるいはその飛沫が付着したモノを触った手で目や口など粘膜にこすり付けてしまうルートが一般的です。そのため対策は、いかに飛沫を飛び散らせない/防御するかが重要になります。
一方マルウェアの場合は、「PCにマルウェア入りUSBメモリを挿入する」といった物理的接触は少数派で、ほぼすべてがインターネット経由です。メールの添付ファイル、メール本文・メッセンジャー・掲示板などに書き込まれているURL経由、広告バナー、感染済みのWebサイト、etc...と挙げればキリがありません。インフルエンザとは異なり、物理的接触が不要なので、ある意味数段タチが悪いのです。
感染して周りに被害を振りまくのはインフルエンザもマルウェアも同じ
さて、私たちの体内に入ったインフルエンザウイルスは、1~3日のあいだにのどや気管支で爆発的に増殖します。そして1週間程度にわたって高い発熱、悪寒、のどの痛み、関節痛などなど、お馴染みの症状を発生させます。その間は咳やくしゃみにインフルエンザウイルスが混じっており、周りを感染させる側に回ってしまうわけです。
マルウェアもたいていはインターネット経由でPCに侵入します。そして欠陥があるプログラムを見つけて感染・増殖し、それぞれのマルウェア特有の攻撃を試みます。たとえば情報を盗み出す種類なら、プログラムが正常に動いているかのように振る舞わせつつ、インターネット経由でPC内のデータを外部に少しずつ送信します。同時に前述したさまざまなルートを使ってインターネット経由で自身をバラまくのです。マルウェアに感染すると自分も感染させる側に回ってしまうのは、インフルエンザ同様ですね。
ウイルスの発生と流行は事前に予測できません。前述した通り、PCには「寝ていれば治る可能性」が存在しませんから予防が最大の対策です。危ういサイトに行かない、怪しいファイルをクリックしないといった行動が、日々のうがいや手洗いに相当するわけです。
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