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新スマホに5G! MWC19レポート 第10回

ファーウェイのPC事業は薄型軽量のモバイルPCに特化して成長する

2019年02月25日 19時15分更新

文● 末岡洋子 編集● ASCII編集部

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 ファーウェイは2月24日(現地時間)、25日に開幕する「MWC19」に先駆けて新製品を発表した。最も注目を集めたのは折りたたみ型スマホの「HUAWEI Mate X」だが、同社がここ2~3年力を入れているPCでも、最新モデルの「HUAWEI Matebook Pro X」などを発表した。

プレミアムモバイル「HUAWEI MateBook X Pro」の2019年モデルを発表したファーウェイ(撮影:山根博士)

 発表直後にファーウェイのコンシューマー事業部でタブレットとPC製品ライン担当プレジデントを務めるWang Yinfeng氏が各国メディアのグループインタビューに応じた。

PC事業を担当するWang氏

――PCに参入して3年目に入るが、どのように推移しているのか? 現在の目標は?

 PC事業は業界平均を4倍上回る成長率で拡大しており、今年はさらにこの成長率が伸びると期待している。(ファーウェイのPC事業は)まだ2年が経過した段階であり、社内目標はあるが、まずはイノベーションをもたらしてコンシューマー体験を改善することにフォーカスしている。

 スマートフォン事業は現在大きなビジネスとなったが、参入当初はイノベーションとユーザー体験にフォーカスしていた。PCでも同じアプローチをとって成長させていく。

――PC市場が縮小傾向にあるが、ファーウェイはどこで技術革新を図るのか?

 市場が縮小しているのは、この市場で技術革新が進んでいないからだ。それこそがファーウェイがこの市場に参加した理由であり、技術革新をもたらすことで市場を拡大できると考えている。

 IoTの発展と、スマートホームなどホーム環境のインテリジェンスにより、コンシューマーがアクセスできるデバイスは増える。一方で、コンシューマーにとってこれらのデバイスを短期間で使いこなすことは難しい。

 そこでファーウェイのコンシューマー事業は今年、”さまざまなシナリオを通じてインテリジェントな体験をもたらす”という新しい戦略を打ち出した。この戦略のもとで、さまざまなシナリオにおいて体験をスムーズにするような技術革新を図っていく。今回発表したOneHopはその例となり、今後も新しい技術を届ける。

ファーウェイ製スマホとの間で、簡単にデータの送受信ができる「HUAWEI Share」が進化。ディスプレー表示の共有なども可能に(撮影:山根博士)

 技術革新はソフトウェアだけではなく、ハードウェアでも進めていく。電源ボタンに指紋認証を統合することで、ワンタッチで安全に自分のデバイスにログインできるようにした。これらの技術革新は、コンシューマーの需要に合わせた技術開発があって実現している。

――PC市場に参入するという決定と超軽量の方向性と、どちらが先にあったのか?

 現状のノートPCの問題の1つに、重たく、野暮ったい機種ばかりという現状がある。コンシューマーが求めているのは、薄くて軽く、同時にパワフルなPCだ。ファーウェイはこの需要があると認識したと同時に、スマートフォン側で蓄積してきた素晴らしい技術を生かして需要に応えることができると判断した。

 コンシューマーの需要に基づき、超軽量・薄型のノートPCが今後のトレンドになると判断した。実際、我々の動きに他のベンダーも追随して、軽量・薄型の機種を投入しているようだ。

――タブレット事業とのバランスは?

 コンシューマー事業部にとってタブレットは引き続き重要なカテゴリーだ。実際にファーウェイのタブレット市場シェアは3位で、出荷台数は1500万台。2018年には、上位タブレットベンダーの中で唯一成長したベンダーとなっている。今後もタブレット分野の研究開発に継続して投資する。

 2018年末に最新の「HUAWEI MediaPad M5 lite」を発表しており、2019年もタブレット分野での最新機種を発表する予定だ。

――PC市場でのターゲットユーザーは?

 PCとスマートフォンでは同じようなユーザーをターゲットとしており、その中でも異なるコンシューマーの需要に合わせてさまざまな製品を開発している。方向性としてはできるだけ多くのコンシューマーの需要に応える戦略であり、性別や年齢層など様々な層をカバーしていく。

――初代の「MateBook Pro X」でキーボードに統合したポップアップ式カメラを導入した。これに対するユーザーのフィードバックはどうだった?

 ポジティブなフィードバックをもらっている。将来的には、ソフトウェアチューニングなどカメラの性能を改善するような技術を応用していきたい。

――HUAWEI MateBook X Proの最新機種の「HUAWEI Share 3.0 OneHop」はどのような技術を使っているのか?

 複雑な技術だが、HUAWEI Shareは高速なデータ通信を使ってファイルを共有できる技術で、現在30Mbpsの速度を実現している。NFCを使ってPCとスマートフォンの接続を改善できる。前世代のHUAWEI MateBoook X Proでは、まだその機能を実装できなかった。

――PCで5Gや4Gに対応する機種を投入する予定は?

 無線などの接続技術はファーウェイが得意とする分野だ。MWCではパワフルな5Gモデムを発表した。  さまざまなコンシューマーシナリオをカバーするという点で、接続技術は重要になる。4G、5Gに対応するPCへの投資を継続する計画だ。近いうちにお話できるかもしれない。

――ゲーミングPCを開発する予定は?

 まだ考えていない。現時点では薄く軽量なノートPCにフォーカスしている。

――4Kの有機EL画面について

 他のベンダーが4Kの有機EL画面を搭載した機種を投入しているが、有機EL画面については技術的にまだ未熟だと理解している。同時に有機EL画面はコストが高く、アスペクト比が16:9であり、これは我々の戦略(アスペクト比3:2)に沿うそうものではない。

 我々は引き続き有機EL画面の動向を注視しており、時期が来れば採用するかもしれない。

 最新の「Huawei Matebook Pro X」の価格は、Core i5搭載機種が1599ユーロ、Core i7搭載機種が1999ユーロとなっている。発売時期についてファーウェイは、「まず4月に中国、それに欧州、北米、アジアパシフィック、中東などの国で発売する」と述べるにとどめており、日本市場については具体的な予定(価格や時期)を明らかにしていない。


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