減少傾向にあったマルウェアが再び増加傾向に(McAfee分析)
アダルト指向のボットGaumutとStealrat、五輪に向けたセキュリティをどう考えるか
2019年01月22日 07時16分更新
マカフィーは、2018年第3四半期の脅威動向を解説する説明会を開催した。減少傾向と思われたマルウェアの流通が急拡大し、昨年レベルまで増加したことや、仮想通貨マイニングに関するマルウェアが急増したという。
同社によれば、同期に公表されたインシデントは215件。前期からは減少したが、後述する大規模なインシデントも発生している。そうした中で、大きな話題となったのが2つのボットファミリーだという。
セクストーション攻撃型のスパムGamut
1つはGamut。スパム製造ボットネットと呼ばれ、「セクストーション(性的脅迫)」のメール文言を作成してスパムでばらまくボットだ。昨年はセクハラなどが大きな話題となった年でもあり、そうした背景からセクストーションが攻撃に扱われたのだろう。
スパム製造ボットネットによるスパム流通量の53%をGamutのメールが占めたとされており、その攻撃の激しさが伺える。もう一つがStealrat。こちらはアダルト・デーティング関連のスパムを送信するボットで、こちらは全体の41%となっており、この2つのボットネットが全体の94%を占めていたことになる。
同四半期中に新たに検知されたマルウェアは約6302万件で前期比53%の増加。2017年第4四半期は新規マルウェア検知数が過去最多となっており、2018年になって減少傾向だったが、その第4四半期に匹敵するマルウェアが発見されていた。この増加の理由に関して、同社ではまだ調査中としており、明らかになっていない。
同四半期に発見されたMac OSをターゲットにしたマルウェアは3万8000件で、前期比9%増となった。Mac OSも継続的に攻撃が行われている状況だ。
モバイル向けのマルウェアの検知数は前期比24%減となる約175万件。こちらも落ち着いてきているが、これ魔多かったモバイルランサムウェアから、人気ゲームFortniteの偽アプリが急増したのが特徴で、ほかにモバイルバンキングを偽装したトロイの木馬や不要な広告を表示するアドウェアなどが増加していたという。