中国Xiaomi(シャオミ)が欧州展開に拍車をかけている。11月8日(現地時間)、同社は「Xiaomi Mi 8 Pro」のグローバルローンチと同時に、英国市場進出を発表した。
首都ロンドンには、欧州初となる直営店も今月中にオープンさせ、スマートフォンだけでなく電動キックスケーターなども並べるとのこと。欧州の顧客にXiaomiの”Miワールド”を見せる場所になりそうだ。欧州の消費者はXiaomiを受け入れるのだろうか?
欧州4ヵ国目は英国
シャオミにとっての2018年は再浮上の年となった
Xiaomiの創業は2010年。高スペックながら低価格なAndroidスマートフォンをオンラインのみで販売するというビジネスモデルが当時は新しく、中国で若者を中心にヒット。
2014~15年にかけてはは創業者兼CEOのLei Jun(雷軍)氏のスピーチスタイルがAppleのSteve Jobs氏と似ているとのことから、”中国のSteve Jobs”と言われたり、Xiaomiを”中国のApple”と形容するメディアもあった。ところが2016年に失速が明確に。一時期はトップ5に食い込んでいたのに圏外になった。
だが2017年終わりから盛り返し、2018年7月には香港証券取引所でIPOを果たした。評価額は540億ドルと予想を下回り、調達額は47億ドル。それでも、同取引所にしてみれば、2016年の中国郵政貯蓄銀行に次ぐ規模となった。
Xiaomiの海外展開は、一度収縮した過去がある。急成長していた2013年には、Android成長に貢献したと言われるHugo Barra氏をGoogleから引き抜き。インドと東南アジア、さらには南米と新興国市場に拡大計画を据えたものの、結局はインドなど一部の市場のみにフォーカスすることにした(インドでは小売店戦略が奏功し、シェアトップとなっている)。Barra氏は2017年始めにXiaomiを去り、現在はFacebookに勤務している。
今回の欧州展開はIPOの目論見書で明らかにしていたことの1つ。欧州市場では2017年末にスペイン市場に参入したが、今年5月にはフランスとイタリア市場に参入、そして今回4ヵ国目の英国となった。
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