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ゲーブルもしっかりまとまりケース内がスッキリ

16コア/32スレッドRyzenとGTX 1050でクリエイティブに強くゲームもできるPC、丁寧な組立も魅力

2018年11月06日 07時00分更新

文● 宮里圭介 編集●八尋/ASCII

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「Lepton WS3600X399A」

 16コア/32スレッドの「AMD Ryzen ThreadRipper 2950X」を搭載する「Lepton WS3600X399A」は、CPUパワーを活かしたクリエイティブ用途で活躍してくれるマシンだ。CPU性能が高いのは当然だが、GPU支援機能を使うためにGPUを搭載しているのも特徴となっている。動画や写真編集などの作業用としてオススメしたいマシンだが、もちろん別の用途に利用したってかまわない。そう、つまりゲームだ。

ゲームを視野に入れるなら「Quadro」から「GeForce」に変更

 Lepton WS3600X399Aに標準で搭載しているGPUは、NVIDIA Quadro P620。CADや映像・画像処理ソフトなどでよく使われるOpenGLに最適化されたGPUで、クリエイティブ向けとして作られているものだ。CUDAコア数は512、メモリーは2GBとエントリークラスに近い製品だが、プロ向けということもあり、10bitカラー出力に対応するなど高い表現能力をもっている。

 これに対してGeForce GTX 1050 TiはCUDAコア数は768、メモリーは4GBを搭載した製品で、ゲーム向けとしてDirectXに最適化されているのが大きな違いだ。スペックではQuadro P620を凌駕するものの、カラー出力は8bitまでとなっているため、より表現性能ではQuadroに一歩届かないものとなっている。

 とはいえどちらも価格帯は同じで、GPU支援機能が利用可能、ゲームも遊べるという点では変わらない。表示色数にこだわるならQuadro、ゲーミング性能を重視するならGeForceを選ぶのがいいだろう。今回試用したモデルは、ゲームも楽しめる構成としてGeForce GTX 1050 Tiが搭載されていた。ということで、ゲーミング性能をいくつかのベンチマークソフトでチェックしていこう。

搭載されていたのは「ASUS STRIX-GTX1050TI-O4G-GAMING」。負荷が低いときはファンの動きが止まるという、セミファンレス仕様のビデオカードだ

タイトル次第で高画質でもゲームが遊べるだけの実力がある!

 3Dグラフィック性能を見るため、まずは定番の「3DMark」から。DirectX 11世代のテストとなる「Fire Strike」と、DirectX 12世代となる「Time Spy」を試してみた。

「Fire Strike」はCPU性能の高さから「Phisics score」は高いものの、基本となる「Graphics score」は低め。重たいゲームを遊ぶのは難しそうだ

さらに重たい「Time Spy」でも傾向は同じ。「CPU score」が高いためトータルのスコアはそれなりの数値になっているが、「Grphics score」は低い

 もう1つ、実ゲームに近いベンチマークで比較的軽い「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」(FF14ベンチ)も試してみた。

ゲームベンチとしては軽めとなる「FF14ベンチ」。7000以上で「非常に快適」という評価になる

 ビデオカードがGeForce GTX 1050 Tiのため3D性能はそれほど高くなく、フルHDの高画質で遊ぶのであれば、軽めのゲームに限られてしまうだろう。最新ゲームをストレスなく楽しみたければ、画質や解像度を落として軽めにしてやる必要がある。

 もちろん、さらに上のクラスのビデオカードを選んでゲーム性能を高めるのもありなのだが、それならクリエイティブマシンでゲームをちょっと遊ぶというよりも、最初からゲーミングパソコンを選ぶ方をオススメしたい。どちらも性能を突き詰めていくと似た構成になっていくが、あくまでメインはクリエイティブ用途で、たまにゲームも遊びたい、というのであれば、GeForce GTX 1050 Tiあたりが価格性能的にもいいだろう。

軽快な体感速度のためにはNVMe対応SSDも要チェック

 パソコンの快適さはCPUだけでなく、ストレージの速度も大きく影響してくる。一般的なマシンであればSATA接続のSSDで十分満足できる速度となるが、膨大なデータ処理が必要となるクリエイティブパソコンであれば、このストレージ速度の差が作業終了までの時間に大きく影響しがちだ。それだけに、NVMe対応のSSDをメインストレージに選んでおくというのは、オススメしておきたいカスタマイズといえる。

 Lepton WS3600X399Aはストレージ性能もしっかり考えられており、標準ではSATA接続のSSDだが、BTOオプションでNVMe対応のSSDも選べるようになっている。例えば「ADATA XPG SX8200」は3D NANDを採用した高速なSSDながら、コストパフォーマンスに優れているのがメリットだ。どのくらいの速度が出るのか、ベンチマークで見てみよう。

PCIe Gen3×4対応ながら、コスパに優れた「ADATA XPG SX8200」。ヒートスプレッダーを装備している

シーケンシャルリード・ライトとも非常に速く、SATA接続と比べ3倍以上も高速だ

ハイスペックなBTOパソコンだからこそ、組み立ても丁寧なサイコムで

 Lepton WS3600X399Aの魅力は、高い性能はもちろんだが、パーツ選定、組み立てまでしっかりこだわって作られている点にある。サイドパネルを開けて見るとすぐわかるが、ケーブルは裏面配線が使われるだけでなく、余ったケーブルもしっかりとまとめられ、ぐちゃぐちゃとした印象はまったくない。見た目がいいだけでなく、エアフローをジャマするケーブルがほとんどないため、ケース内温度が上がりにくいというメリットもある。

PCの内部はBTOパソコンなのにケーブルがほとんど目立たず、驚くほどすっきりとしている

 クリエイティブパソコンは価格が高い構成となるだけに、こういった組み立てまで丁寧だというのがうれしい。性能だけではなく、組み立て品質も重視したいというのであれば、Lepton WS3600X399Aはいい選択肢となってくれるはずだ。

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