多数のストレージを装着可能な空きベイと、ホットスワップ用のリムーバブルラックを搭載
本気で使えるポテンシャル! 16コア/32スレッドCPUでメガタスクに強いクリエイティブPC
2018年11月01日 07時00分更新
CPUに「AMD Ryzen ThreadRipper 2950X」を搭載し、とくにCPUパワーが必要となるクリエイティブ用途で頼もしい存在となっているのが「Lepton WS3600X399A」。16コア/32スレッドCPUは実力が高く、とくにCGレンダリングなどの分散処理に向いた用途では無類の強さを発揮する。
CPU性能の比較に使われるベンチマークテスト「CINEBENCH R15」で試してみたところ、スコアは3188cb。コンシューマー向けのハイスペック構成で使われる6コア/12スレッドのCore i7-8700Kで1440cb前後くらい、8コア/16スレッドのRyzen 7 2700Xでも1800cb前後と比べてみると、圧倒的にCPUパワーが高いというのがわかってもらえるだろう。
もちろん、これだけCPU性能が高いとなると発熱も心配になる。そこで、ストレステストの「OCCT」を使い、CPU:LINPACKテストで約15分間負荷をかけてみた。先に結論を書いてしまうが、CPU温度は最大でも50度までしか上がらず、しかも開始6分過ぎにはこの温度で安定していた。
OCCTはCPUにかなりの負荷をかけるテストだけに、とくに高性能なCPUでこれだけ温度が低いというのは驚きだ。しかもストレステスト中、嫌な騒音はほとんど聞こえなかった。
この種明かしをすると、Lepton WS3600X399AではCPUクーラーに標準で「Corsair H100i V2」を採用しているのが大きな理由だ。24センチサイズの大型ラジエーターを採用した簡易水冷クーラーで、高温になりがちな高性能CPUを強力に冷やせる性能を持つ。このCPUクーラーでRyzen ThreadRipper 2950Xを冷やすことで、フルに負荷をかけても低温で安定した動作ができるわけだ。
もちろん1つのソフトだけでRyzen ThreadRipper 2950Xをフル活用するものはまれだが、ソフトは1つだけでなく、複数同時に使うのが普通。こういった場合でも、性能を落とさずすべてのソフトを快適に使えるというのが、多コアCPUの強みとなっている。
多数のストレージを装着可能な空きベイと、ホットスワップ用のリムーバブルラック
とくに映像系は作業用のデータが大きく、データのやり取りにHDDそのものを使う場合も珍しくない。こういったときにうれしいのが、ホットスワップに対応したリムーバブルラックで、Lepton WS3600X399Aはフロントベイに装備している。PCケースを開く必要も、ケーブルの着脱をする必要もなく、裸のHDDそのままをメディアとしてあつかえる便利な機能だ。これを使えば、大容量データの受け渡しも簡単になるため、遅いネットワークからのダウンロードを待つ必要もない。
もちろんケース内部の空きベイも多く、最大8つのストレージを格納可能。作業用の内部ストレージ容量を増やしたいといったときでも、余裕で対応できるのがうれしい。
クリエイティブマシンとして本気で使えるポテンシャルが魅力
コア数の多いCPUは一般用途では持て余す場合も多いが、クリエイティブ系での用途であれば、多ければ多いだけ活用できることが多く、そのぶん待ち時間も短くなる。また、単純にCPU性能を高めるだけでなく、水冷クーラーによる静音・低温安定化、さらにHDDをリムーバブルメディア化して使えるリムーバブルラックの標準搭載と、実用性が考えられた構成となっている。
単純に性能だけで選ぶのも一理あるが、買ったままの構成で実戦投入できる環境が整っているというのが、何よりの魅力。クリエイティブ、そしてメガタスク用のパソコンとして、心強い味方となってくれるだろう。