ケイスリーとキャンサースキャン、社会的投資推進財団(SIIF)、デジサーチアンドアドバタイジング、みずほ銀行は10月26日、八王子市で導入した成果連動型の大腸がん検診受診率向上事業に関して、2018年度の成果指標として設定した大腸がん検診受診率の目標を達成し、八王子市からキャンサースキャンに対して、またキャンサースキャンから資金提供者に対して、初回の成果連動型支払いが実行されたと発表した。
同事業は、これまでのアプローチとは異なる受診率向上策として、大腸がん検診受診率が特に低い層を対象に、AI活用のオーダーメイド受診を勧奨。当該手法の実施により、2017年度に1万2162人へ大腸がん検診受診勧奨をした結果、受診率は26.8%となり、2015年度実績の9%および本事業の最大目標値である19%を大きく上回った。
そして、大腸がん検診受診率に応じた支払額について、八王子市から満額である244万1000円が支払われた。
同事業において、キャンサースキャンは八王子市との成果連動型支払契約に基づき民間事業者として事業を推進し、SIIFおよびデジサーチがソーシャル・インパクト・ボンド(SIB)導入のための出資を実施している。またケイスリーは、全体設計およびコーディネーターとして中間支援組織の役割を担い、デジサーチは金融ストラクチャーの立案および提供等資金仲介も担当している。
今後は、本事業を推進する立場として、精密検査受診率、早期がん発見者数の向上を目指すとともに、日本での第1号SIB案件としてのモデルケースとなることを通じて、ほかの地域や別分野におけるSIBの活用が広がることにより、さまざまな社会課題解決の促進に貢献していくとしている。