ドイツのゲーミングデバイスメーカーROCCATの新ゲーミンクキーボード「VULCAN 120 AIMO」(バルカン 120 アイモ)が間もなく日本で発売される。事前に同製品を試す機会に恵まれたので、使用感をレビューしていこう。
ROCCATは、日本のプロゲーミングチームCreativesをスポンサードしている。Creativesの代表を務める筆者がレビューすると、スポンサーにとって都合がいい内容になると考えるかもしれない。しかし、ROCCATおよび編集部から正直なレビューをリクエストされているため、Creativesの代表としてではなく、宇参雄太という一個人として今回は感じたことをそのまま書いていく。
ROCCATは、ドイツ・ハンブルグで2007年に創業した11年の歴史を誇るゲーミングデバイス/eスポーツギアメーカーだ。そのROCCATの代表的なメカニカルキーボードといえばSuoraFXであった。SuoraFXは日本市場にある他メーカーのメカニカルキーボードとほぼ変わらない仕様のため、一定の評価は得られているものの、独自設計や独自デザイン色は薄く、必ずしもRoccatの個性が発揮されているわけではなかった。
今回レビューする「VULCAN 120 AIMO」も、さほど特徴がない製品なのではないかと、到着前は危惧していた。しかし、今回のキーボードは一味も二味も違うことが外箱を見るだけで滲み出ていた。開封後も期待を裏切ることはなく、PCに接続した瞬間、よくあるRGBメカニカルキーボードとはなにもかもが違うことを実感した。
茶軸好きにはたまらない打鍵感
Titan switchという独自のメカニカルキースイッチの開発に成功したキーボードなのだが、通常こういった設計だとタイピングをする際、グラつきが生じてしまうことが心配要素としてある。しかしそういった心配はなく、むしろ良いところ取りだった。製品概要からもそれはわかる。
- Titan switch 茶軸(静音化)
- 入力認識速度20%向上
- 標準よりも50%軽量化されたキーキャップ(キートップ)
- 1.8mmのアクチュエーションポイント
これだけの特徴で、サイレント軸・銀軸(スピード軸)・茶軸をすべて融合させたキースイッチは、メカニカルキー好き、とくに茶軸好きには溜まらない製品となる。
ただ、キースイッチがキーキャップで覆われていないため、スイッチが静音化されているとはいえそれなりに押下音が響く。とはいえ、配信やゲーム中にマイクが音を拾うこともあまりなく、静音すぎて打った感覚がなくて嫌だということもなく、うまく間を取ったワガママなユーザーの心を捉えた代物であることに違いない。
また、ダイアル式となっているボリュームコントロールは、金庫のダイアルロックキーのような捻り具合で非常に調整がしやすい。ここまでしっかりとしたダイアル式ボリュームコントローラーを、筆者は他の製品では触ったことがない。