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インターフェースやカメラの配置も変わり使いやすくなった

タッチパネルと多関節スタンドで使い勝手向上した狭額ベゼルの一体型PC

2018年09月25日 18時00分更新

文● 山口優、編集●八尋/ASCII

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デルの「New Inspiron 27 7000」

 デルからディスプレー一体型デスクトップパソコンの新モデル「New Inspiron 27 7000」が登場した。画面周囲の枠がほとんどないフレームレスディスプレーを採用しており、27型の大画面でありながら比較的コンパクトにまとまっているのが大きな特徴。

 基本的なコンセプトや筐体デザインは前モデルを踏襲しているが、細かい部分がブラッシュアップされて使い勝手は大きく向上している。今回、その実機を試せたので、前モデルと比較しながら、製品の特徴やパフォーマンスなどを2回にわたって紹介していこう。

タッチ操作に対応したディスプレーを搭載

今回試したモデルは、フルHD解像度でタッチパネルに対応していた

 New Inspiron 27 7000は、パッと見だと従来からあまり変化がないように感じる。前モデルで好評だった極細ベゼルのフレームレスディスプレーもそのまま踏襲しているうえ、シルバーを基調とした上品なデザインもほぼ同じ。しかし、実際に使ってみるとさまざまな変更が加えられているのがわかる。

 そのなかでも、いちばん大きな変更点がディスプレーのタッチパネル対応だろう。前モデルはタッチ非対応だったが、今回試したフルHDディスプレー搭載モデルはタッチパネルを搭載し、マルチタッチ操作が可能になった(4Kディスプレーを搭載した上位モデルは非タッチのまま)。ちなみに、液晶パネルは従来通りアンチグレア(非光沢)のため、タッチ操作しても指紋などが目立ちにくいのはありがたい。

 デスクトップパソコンにタッチ操作が必要かどうかという点は意見が分かれるかもしれないが、ウェブサイトのスクロールや動画の再生・一時停止など、閲覧や鑑賞がメインならマウスを使うより直感的で使いやすい。タッチ操作に対応したアプリも増えつつあるので、用途によっては、キーボードやマウスにほとんど触らなくてすむ場合もある。

 ディスプレーがタッチ対応になったためか、New Inspiron 27 7000はスタンドの機構も変更された。従来は台座部分とアーム部分が固定されており、角度調節の範囲が狭かった(上に30度、下に5度まで調節可能だった)。タッチ対応モデルは多関節スタンドを採用し、角度調節の範囲が大幅に広がっている。

前モデルのスタンドは台座部分が固定されている。ディスプレー部は上に30度、下に5度まで、角度を調節することができる

新モデルは多関節スタンドを採用しており、ディスプレー部の可動範囲が広くなった

 たとえば、ディスプレーを手前に引き出して底面を机にくっつけるような置き方もでき、タッチ操作がとてもやりやすくなる。また、画面をほぼ真上に向けることも可能。その場合でも、ディスプレーが視野角の広いIPS方式のため、色の変化が少なくみやすいのは好印象。視野角は水平・垂直ともに178度となっている。

ディスプレーを手前に引き出して底面を机にくっつけることもできる

ディスプレーをほぼ真上にも向けられる

 ちなみに多関節スタンドは、本体に取り付けられた状態で出荷されており、箱から出したあと自分で取り付ける必要がないのもうれしいところ。この多関節スタンドは、付け根に搭載されているリリースタブを押したまま持ち上げれば簡単に取り外せる。多関節スタンド自体はVESAに対応していないため、ほかのVESA準拠ディスプレーに流用できないが、本体側はVESAマウントに対応しているため、市販のモニターアームなどは取り付けられる。

多関節スタンドは簡単に取り外しが可能

VESAマウントに準拠しており、市販の対応モニターアームなどを取り付けられる

インターフェイスやWebカメラも使いやすくなった!

 New Inspiron 27 7000は、インターフェースやボタン類のレイアウトも変更された。従来はディスプレー底面に搭載されていた電源ボタンが、ディスプレー右下のベゼル部分に配置されて位置が分かりやすくなった。多関節スタンドを採用したためだと思うが、ボタンが見やすく押しやすくなったのは歓迎できる。

従来の電源ボタンは底面に搭載されていたが(左)、新モデルでは液晶下部に変更された(右)

 ウェブカメラおよびWindows Hello対応の赤外線カメラは、従来はディスプレー下の中央付近に配置されていたが、New Inspiron 27 7000ではポップアップ式となり、本体天面中央に内蔵された。カメラ部分を押し込むと飛び出てくる方式で、本体に格納した状態ならうっかりカメラを作動させてしまっても部屋の様子が映らないので、万一ハッキングなどの被害にあった場合も安心だ。また、従来のカメラだと下から見上げるようなアングルで顔が映ってしまうが、新モデルだと上から少し見下ろすアングルになり、ビデオチャットでの映りも改善されている。

従来のカメラは液晶下部中央付近に搭載されていたが(左)、新モデルでは本体天面に変更され、ポップアップ式となった(右)

 インターフェースは、従来は本体側面および底面、背面(スタンドの付け根の左右)に分散して配置されていたが、New Inspiron 27 7000では本体側面と背面(スタンドの付け根下部)に変更された。見た目もスッキリ分かりやすくなったのは好印象だ。

本体左側面には、SDカードスロットとUSB 3.1(Type-A)端子、USB 3.1(Type-C)端子、ヘッドセッ端子を配置

本体背面には、HDMI入力、HDMI出力、有線LAN端子、USB 2.0端子×2、USB 3.1端子×2、オーディオ出力、電源アダプタポートが搭載されている

 そのうち本体左側面には、SDカードスロットとUSB 3.1(Type-A)端子、USB 3.1(Type-C)端子、ヘッドセット端子がそれぞれ1基搭載されている。従来Type-Cポートは背面に搭載されていたが、側面に変更されてUSB Type-C機器が接続しやすくなった。

 本体背面には、HDMI入力、HDMI出力、有線LAN端子、USB 2.0端子×2、USB 3.1端子×2、オーディオ出力、電源アダプタポートが搭載されている。HDMI入力があるため、ほかのPCやゲーム機などを接続してで、New Inspiron 27 7000を単体ディスプレーのように使うことも可能だ。その際使用する入力ソース選択ボタンは、従来通りディスプレー底面の右端に搭載されている。

 一体型パソコンとしては、インターフェースの数は豊富で、複数の周辺機器をつないで使いたい場合でもハブやアダプター類が必要になるケースは少なそうだ。ポートとポートの間隔が十分離れているため、コネクター部が大きなケーブルを使う場合にも干渉しにくいのは評価できるポイントといえるだろう。

 タッチパネルや多関節スタンドを採用して使い勝手が向上したNew Inspiron 27 7000。今回は、その外観や使い勝手の変更点を中心に紹介したが、次回は気になるパフォーマンスをチェックしていこう。

試用機の主なスペック
製品名 New Inspiron 27 7000(プラチナ)
CPU Core i7-8700T(2.4GHz)
グラフィックス GeForce GTX1050(4GB GDDR5)
メモリー 16GB
ストレージ 1TB HDD(2.5インチ、7200rpm)+256GB M.2 SSD(SATA)
光学ドライブ なし
ディスプレー 27型ワイド(1920×1080ドット)
通信規格 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.1
インターフェース USB 3.1(Type-C)端子、USB 3.1端子×3、USB 2.0端子×2、HDMI入力、HDMI出力、有線LAN、ヘッドフォン/マイク、オーディオライン出力、SDカードスロット
サイズ およそ幅613×奥行58.0×高さ464.3mm
OS Windows 10 Home 64bit

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