今年の12月には新BS/110度CS放送が開始されるなど、今や本格的な4K/HDRの時代に突入している。すでにUHD Blu-rayやNetflixなどの動画配信サービスでは、4KやHDRコンテンツが視聴可能だ。こういった最新のコンテンツをWindowsでも楽しみたい人にぴったりなのが、iiyamaPCの「STYLE-C13N-i3-UHS-BD」(関連記事)だ。
パイオニア製のUHD BD対応光学ドライブを搭載し、UHD Blu-ray再生のための要求仕様もきちんと満たしたモデル。加えて、価格は11万138円からと比較的手の届く価格で実現できるスグレモノだ。前回はUHD Blu-rayのソフトを再生し、専用プレーヤーと遜色のない優れた実力を備えているのを確認できた。今回は、Windows 10マシンのUHD Blu-ray以外のAV性能を紹介する。
試用機の主なスペック | |
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機種名 | STYLE-C13N-i3-UHS-BD |
CPU | Core i3-8100(3.6GHz) |
グラフィックス | インテル UHD グラフィックス 630 |
メモリー | 8GB |
ストレージ | 240GB SSD |
内蔵ドライブ | Ultra HD Blu-ray再生対応Blu-ray Discドライブ (Pioneer BDR-211JBK) |
通信規格 | 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)、Bluetooth 4.2 |
インターフェース | USB 3.0端子×8、USB 3.0(Type-C)端子、USB 2.0端子、HDMI端子×2、DisplayPort、アナログ6chサウンド(ライン出力、ライン入力、マイク入力)など |
サイズ | およそ幅240×奥行400×高さ203mm |
OS | Windows 10 Home(64bit) |
Netflixで、4K/HDRに加えてドルビーアトモス音響で映画を見る!!
Netflixが昨年から4K/HDRコンテンツを配信しているのは、すでに話したとおりだが、実は最新のサラウンド方式「ドルビーアトモス」対応のコンテンツも配信がはじまっている。タイトルは思った以上に数が多いし、Netflixのみで配信されているオリジナルコンテンツの多くが4KやHDR、音声はドルビーアトモスという仕様になっている。つまり、UHD Blu-rayとほぼ同様の映像と音を動画配信でも楽しめるのだ。
だが、これはあまり知られていない。Netflixユーザーもかなり増えてきていると思うが、最新ではない(2年以上前に購入した)パソコンやスマートフォンでの視聴では、4KやHDR、ドルビーアトモス対応のコンテンツは視聴ができず、同じタイトルでもコンテンツの仕様は「HD」や「5.1」となっている。
4KテレビユーザーがNetflixを観る場合、同じタイトルを「4K」や「HDR」の仕様で視聴できるのだが、筆者が昨年購入した東芝の「55X910」では、音声の仕様は「5.1」までとなってしまう。これは、Netflix側の仕様で再生のためのハードウェアが対応してないコンテンツは、表示されないようになっているためだ。
東芝やソニーの今春モデルは、4KテレビでもNetflixのドルビーアトモス再生が可能になっており、最新の4KテレビではNetflixでもリッチな環境で楽しめるようになっている。
とはいえ、筆者の場合、Netflixのために今年もテレビを買うというわけにはいかない。そこで注目したのがSTYLE-C13N-i3-UHS-BDだ。
UHD Blu-rayの再生と同様に、Netflixでの4K/HDRコンテンツの視聴も、最新のハードウェアが必要になる。必要なハードは、4K解像度の表示ができ、かつHDRに対応したディスプレー、Windows 10 Creators Update(バージョン1703)以降、インテルの第7世代以降のCoreプロセッサー、チップセット内蔵のグラフィック機能がドライバー:22.xx.xxシリーズ、バージョン4708以降であることが必要だ。このほか、大前提として、4Kコンテンツの視聴が可能なNetflixのプランを契約するのも欠かせない。
最新のWindowsマシンならば満たしている仕様ではあるが、こうした要求スペックをいちいち確認するのは面倒だろう。その点、STYLE-C13N-i3-UHS-BDは以上のようなNetflixで4KやHDRコンテンツを視聴するための仕様も満たしている。
というわけで、さっそくNetflixのアプリをインストールしてみた。アプリはWindows Storeに登録されているので、インストールは簡単。アプリの価格は無料だ。インストールが終わったらアプリを起動すればNetflixの画面が表示される。
Netflixのアプリは、基本的には4Kテレビなどと同じインターフェースなので、操作には困らないはず。タイトル詳細を見てみると、「4K」や「HDR」に加えて、「ドルビーアトモス」のマークがタイトルの下の部分に表示されているのがわかる。
本機を試用した筆者の視聴室は、ディスプレーが東芝の55X910、AVアンプがデノンのAVR-X7200WAでドルビーアトモスの6.2.4ch構成となっている。PCとAVアンプ、ディスプレーを接続すれば、UHD Blu-rayと同等の4K/HDRとドルビーアトモス音声が楽しめる。
さっそく、「ロスト・イン・スペース」を観てみた。これは、国内では「宇宙家族ロビンソン」のタイトルで放送された海外ドラマのリメイク版。4K/HDRでしかもドルビーアトモス音声で観ると、ほとんど映画と変わらないハイクオリティー。高解像度でリアルに再現された映像と迫力ある音で、思う存分ロビンソン一家の冒険を楽しめる。こんな海外ドラマが思った以上に配信されていて驚く。再生中のパソコンのファンノイズはかなり静かで、パソコンデスクの下など近くに置いているとさすがにちょっとは音が聞こえるが、多少離れた場所に置くようにすればまったく気にならなかった。
そのほかのNetflixの4K/HDRコンテンツをみていくと、UHD Blu-rayでは発売されていないタイトルばかりだし、発売中のUHD Blu-rayでもすべてがドルビーアトモス音声というわけではない。優れた映像と臨場感あふれる音声の両方を求める人ならば、Netflixは大注目。4Kテレビやサラウンド再生環境が整っているならば、STYLE-C13N-i3-UHS-BDを手に入れるだけで楽しめるようになる。
Netflixは安定したストリーミング再生を実現するため、回線事情に合わせて映像の転送レートを制御している。推奨されるウェブ接続速度は25Mbps以上だ。そのあたりを気にしながら再生してみたが、パソコン上での再生では、十分な回線速度があれば画質が落ちたり解像度が下がったりせず、動画配信とはいえ、かなりの見応えのある映像と音を楽しめた。厳しく画質や音質を比較すれば、パッケージ収録で転送レートも高いUHD Blu-rayのほうが高品質ではあるのだが、筆者が観ていてもほとんど遜色がないレベルだ。音質も同様で厳しく聴き比べると多少の差はあるが、ドルビーアトモスの立体的なサラウンド空間の再現や音の移動感などはまったく同じなので、落差をほとんど感じない。