イギリスのデジタル企業Digital Catapultとイングランド芸術評議会は、VR/ARに関する5つのプロジェクトに総額35万ポンドの補助金を交付することを発表した。イングランド芸術評議会は国が主体の宝くじなどを原資として、政府からクリエイティブ分野への公的な投資を進める機関。両者が進める「CreativeXRプログラム」の一環として行う予定だ。
Digital Catapult社とイングランド芸術評議会は、今年の1月からCreativeXRプログラムを開始している。第1次審査で20のチームを選出。そのうち5つのプロジェクトに更なる資金を提供、プロジェクトの推進と公表をサポートする。5つのプロジェクトが受け取る補助金の合計は35万ポンド(約5000万円)、この他に、マッチングファンドと技術的支援や文化組織からのサポートが受けられる。
国際会計事務所PwCのレポートでは、イギリスのVR産業は2021年までに76%成長を遂げ、市場規模は8億100万ポンド(約1165億円)となる見通し。この補助金は、こうしたイギリスのVR産業の発展を促進することを狙っている。
支援の対象となったのは以下の5つ。
・Fatherland
制作:Limbik
リアルタイムのモーションキャプチャーとVR技術を使った、インタラクティブな劇場体験。痴呆症にかかった父親と、その息子の旅をテーマにしている。ポーツマス大学及びロイヤル・ナショナル・シアターとの共同作品。
・Immersive Histories
制作:All Seeing Eye Ltd
爆撃機に乗り、第二次世界大戦中のチャスタイズ作戦の世界を体験するVRコンテンツ。コンテンツ配信を行うOther Setと、イギリス空軍の協力を得て活動している。
・Municipal Dreams(仮題)
制作:VR CITY LTD
ロンドンのアイレスベリー団地の歴史をたどる旅をテーマとし、ステレオ360度動画、フォトグラメトリー、3Dモデリングといった技術を用いて制作する。ロイヤルホロウェイ(カレッジ)、Creation Trust、国際ドキュメンタリー・フェスティバル・アムステルダムが協力。
・Traitor
制作:Pilot Theatre
VRとライブアクションを組み合わせた、2人のプレーヤーによるインタラクティブなスリラーを展開する。
・When Something Happens
制作:Boom Clap Play
ビッグバンから現代まで、地球の歴史をたどる大旅行をVRで描く。制作会社のノーザン・アイルランド・スクリーンと、ノーザン・アイルランド・サイエンス・フェスティバルの協力を得て活動。