業務を変えるkintoneユーザー事例 第30回
家庭環境に応じたママのサポートを実現するためkintoneを再稼働
子育てママをサポートするママワーク研究所はkintoneをあきらめない
2018年06月25日 10時00分更新
kintone hive fukuokaに登壇した、NPO法人ママワーク研究所理事長の田中彩氏。働く意欲を持つ子育てママを支援するNPOとしての活動を発展させ、人手不足に悩む企業とのマッチングにまで取り組むママワーク研究所の活動と現在進行形というkintone導入を語った。
働く意欲とスキルを持つママたちの復職を支援するママワーク研究所
kintone hive fukuokaに二番手で登壇したのは、福岡を中心に子育て中のママの復職支援をしているママワーク研究所理事長の田中彩氏。落ち着いたたたずまいながら、船舶免許を持つ船乗りというワイルドな一面を持つ二児のママだ。そんな田中氏は情報通信白書をひもとき、ママワーク研究所をスタートさせた背景から説明を始める。
ご存じの通り、現在日本は総人口の減少フェーズにさしかかっており、生産年齢人口も2060年までには約3000万人が減少する見込みとなっている。こうした中、出産を機に約半分が退職してしまうというママたちは「眠れる労働力」として注目を集めている。こうした社会的背景に加え、ママたち自身の就労意欲も高い。実際、「もう一度働きたい」というママは86%にのぼっており、子育てを理由に働いていない女性は全国で315万人いるという。「社会からも労働力として大きな注目を浴びている。しかも、ママたち自身も働くために一歩を踏み出したいと思っている。この思いをつなげたいと思って、NPO法人活動をやっています」と田中氏は語る。
さらに田中氏はママたちの能力の高さや経験にも注目する。「現在、平均出産年齢は30歳を超えています。つまり、短大・大学を卒業し、社会人経験を5~10年重ねている経験のある労働者が今も眠っているということです」と田中氏は指摘する。
実際、NPO設立前に201人のママたちに行なったアンケートを見ると、「新人社員の育成担当をしてきた」「特許を取得した」「プロジェクトリーダーとしてコスト削減に成功し、社長賞を受けた」「コンテストで優勝した」といった独身時の実績や経験として綴られていたという。「こういう話って、単なる自慢話になってしまうので、ママ友同士では絶対にしないんです(笑)」とのことで表には出てこないが、働かないのがもったいない人材も多いとのこと。こうして集まった201人のママたちの思いを形にすべく、2012年に設立されたのがNPO法人ママワーク研究所だ。
復職支援からマッチングまでのトータルサポートを実現
ママワーク研究所は、就業意欲を持つ子育て期のママたちの復職支援を進めている。支援にもいくつかのステップがあり、出産直後のママに対しては時短家事やパートナーとの関係といったテーマで情報発信を行ない、復職したいと考えるママに向けては一歩を踏み出すための「ママワークスクール」を公民館で開催している。「Wordで履歴書やチラシを作るとか、スマホできれいに写真を撮るとか、日常生活でも、仕事場でも役に立つテーマで学んでもらっている」(田中氏)とのことだ。
さらにママワーク研究所で特徴的なのは、「ママ・ドラフト会議」というスピーチコンテスト。働きたいママたちが登壇し、自身の強みと仕事への思いを人材を求める企業の担当者にプレゼンするという内容で、今年は東京と福岡でも開催される。2014年から開始し、参加企業はのべ200社。「上場企業の広報スタッフとして週二日勤務するママや専門学校の講師として月に2回、担当講座を持つママなど、実際の就労につながっている」と田中氏はアピールする。
また、サッカーのボランチのように臨機応変に対応できるママ人材を育てる「ママ・ボランチ養成講座」もあわせて展開しているという。こちらは経理や総務などバックオフィス経験のあるママたちに、クラウド会計やサイトの更新など、今までのオフィスワークとは違う仕事を学び直すための講座を行なっている。
そして、最終的なママたちと企業とのマッチングに関しては、職業紹介免許が必要だったため、昨年グループ会社ワークステップを設立した。「NPO法人はゼロ円で立ち上げられたけど、職業紹介免許には資本要件がありました。でも、ママたちの思いを再就労というところにつなぐため、一念発起して会社を立ち上げました」と田中氏。現在は、メルマガ会員も約2000名まで規模を拡大し、ママワーク研究所で復職支援を進め、ワークステップで企業とマッチングするというトータルサポートを展開している。
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