※本記事は、2018年4月6日にHTC社公式ブログに寄稿された、CXC SimulationsのChris Considineプレジデントによる記事を翻訳したものです。
CXC SimulationsのMotion Pro IIは、実車の走行感を忠実に再現するように設計されたレーシングシミュレーターです。シャーシから独自のモーションコントロールシステム、映像ソリューションに至るまで、すべては「好きな車のコックピットに座って好きなサーキットを走っている」とユーザーに体感してもらうために組み込まれています。
主にレーシングドライバーのトレーニング用を想定した製品ですが、実車の操作感を高い精度で再現できることから、他の使い方にも注目が集まっています。先日ラスベガスで開催された家電見本市CES (Consumer Electronics Show)では、最近VRハードウェア市場に投入されたばかりの強力な新製品、HTC VIVE Proのローンチイベントに協力しました。
弊社はかねてからVRヘッドセットの導入に強い関心を持っており、昨年からMotion Pro IIのVR対応を開始しました。本物のレーシングカーに乗っている感覚を再現するうえで、VRはMotion Pro IIと相性のよいテクノロジーといえます。VIVE Proの開発には初期段階から協力させていただいており、CES展示についてはHTCやAssetto Corsaと密に連携してVR体験の微調整を重ねました。
VIVE Proは解像度が大きく向上したことから、格段にリアルな実在感や臨場感が味わえます。CESで取材していただいた報道関係者の皆様にもその点は明確に伝わったようです。
UploadVRのIan Hamilton氏は、「VRで車の運転席に座ったことなら今までにもあるが、今回CXC Simulationsが出展したレーシングデモは最も現実に迫る体験だったと言っていいだろう。リアルな運転感覚を生み出すのに大きな役割を果たしているのはシミュレーター筐体で、驚くほど豊富な触覚フィードバックを返してくれる。
解像度の向上したVIVE Proによるコックピット内映像の精緻さもすばらしく、何度見ても驚かずにはいられなかった。ステアリングホイールの各種ボタン上の小さな文字まで容易に読み取れるのだ。現行のVIVEに比べて、フレネルレンズ特有の輪やスクリーンドア効果による網目模様もあまり気にならなくなっている」と記事に書かれています。
VR Fitness InsiderのShane Hoalst氏は、HTC VIVE ProとMotion Pro IIがシームレスに連携していることを取り上げてくださいました。
「CES 2018でHTC Loungeに招待を受け、多種多様なVR体験をさせていただいた。その中でも抜きんでて驚異的だったのはCXC Simulationsのシミュレーターを用いたレーシングデモ。なんと幸運にも、発売前のHTC VIVE Proヘッドセットで体験することができた。体験中、映像の乱れや遅延はまったく感じられなかった。この手のデモでは加速、ブレーキ、ターンでスピードが変化する際にたいていラグが出るものなのだが、走行感はあくまで滑らかで、視界が揺れるのは車体の揺れを忠実に再現するときだけ。VIVE Proヘッドセットのディスプレイ画質は総合的に向上しており、HTCがユーザーの要望を耳を傾けたという大きな証になっている」
ShacknewsのAsif Khan氏も同様の印象を受けたようです。
「このデモでは車でレーストラックを走る体験ができるのだが、シートに座りシートベルトをしていても怖いぐらいのド迫力だった。シートは車の動きに合わせて動く仕掛けになっており、車をターンさせれば自然に体が傾き遠心力が感じられる。 急ブレーキをかけたりアクセルを床まで踏み込んだりすると、体にかかるGまでもリアルに再現してくれるのだ。視界の明瞭さはもちろんVIVE Proの性能によるものだろうが、迫真の走行感を作り出したのはCXC Simulationの功績といえるだろう。レーサーのトレーニング用にもカーマニアの夢の実現にも優れたシミュレーターだ」
レーシングシミュレーターにはステアリング操作の手ごたえやブレーキングの反動の物理的フィードバックが欠かせません。その点に注目してくださったジャーナリストもいました。
「私はカリフォルニアのラグナ・セカでメルセデスベンツによる上級ドライビングコースを受講したことがある。非常にテクニカルで楽しいサーキットだ」とTech News WorldのRob Enderle氏は書いています。「それだけに、WynnホテルのHTC Loungeでレーシングカーシミュレーターを体験させてもらった時の驚きは大変なものだった。HTC VIVE Proを被せられたとたん、私はあのサーキットに舞い戻っていたのだ。」
「私はHTC VIVEは持っているが、正直好きではない。セットアップが大変だし、解像度が低いので何もかも網戸を通して見ているように感じられる。その点HTC VIVE Proはまるで別物だった。解像度も十分で、件のシミュレーターでは自分が本当にF1カーに乗っているかのように感じられた。終わったときには汗びっしょりになっていた。肉体にとってはワークアウトをみっちり1回分こなしたほどの体験だったようだ」
ハードウェアやソフトウェアの技術は日進月歩です。CXC Simulationsは今後もよりリアルなレーシングシミュレーター体験を追求し、Motion Pro IIのさらなる進化と改良に努めてまいります。Motion Pro IIは現在、VIVE Proとセットでご注文いただけます(※編集部注:2018年4月現在、このセットは米国のみ提供)。弊社ウェブサイトで各種オプションの組み合わせも検討できますので、ぜひお気軽にお試しください。