NTTドコモは、アンテナが観光や景色の障害になったり、人が集中する都市部などを携帯エリア化するのに適した「マンホール型基地局」の試作機を国内で初めて開発し、実証実験を開始したことを発表した。
マンホール型基地局を運用するにあたり、3つの条件を満たすことが必要だったという。具体的には「快適な通信環境を提供できるサービスエリアの確保」「マンホールの上を含む、周辺の電波の強さが法令を順守していること」「マンホールのふたが安全基準に準拠した強度であること」だ。
今回、札幌市のドコモ管理下の環境における実験では、鉄製と同様の規格を満たし、電波を通すことができる樹脂製のマンホールふたを用いて、半径90メートル程度の範囲をエリア化することに成功したという。
札幌市のマンホール型基地局のスペックは、1.5GHz帯を用いて、256QAMとの組み合わせで、下り最大150Mbps。埋設部分のサイズは70cm四方で約15kg。テストでは45cmの積雪やアイスバーン状態でも電波が減衰しないことが確認できたという。今後は沖縄県南城市、東京都渋谷区も加え、高温多湿や降雨、高負荷、また利用する周波数帯を変更するなど、多様な環境での実験を進めて、2018年度中の本格運用を計画している。