「やっぱりガルパンはいいぞ!」 先週3月28日に千葉県のイオンシネマ幕張新都心で開催された、『ガールズ&パンツァー 最終章 第1話』【Dolby Atmos & DTS:X】公開記念先行上映会を取材して素直にそう感じた。
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すでにブルーレイの販売も始まっている『ガールズ&パンツァー 最終章 第1話』だが、劇場ならではの音響を体験できる機会はまだまだ用意されている。
4月7日(土)からは全国19館で「ドルビーアトモス」による上映が決定。加えて5館で「DTS:X」の上映も実施する。天井にもスピーカーを配置した音のドームに包み込まれる感覚や、最新のオブジェクトベースオーディオ技術を駆使した縦横無尽に動き回る音によって、これまでにないほど戦車道の世界にのめり込めるのが特徴だ。
ドルビーアトモスへの対応は、もちろんガルパンとしては初の試み。アニメだけでなく邦画としてもまだまだ珍しい。主観視点で戦車バトルをする際の効果音、台詞を話す登場人物の位置関係、さらにはフラッグ車の頭上で常に響く旗の音など、細部までこだわった音作りが魅力だ。
すでに十分満足していたはずのガルパン最終章。しかしその音にまだまだ気づかぬ表情が隠されていたと気付かされる。何度も劇場に足を運んだガルパンおじさんはもちろん、すでにパッケージでガルパン 最終章の音を体験済の人にも、おすすめしたい内容になっている。
やはりガルパンでアトモスをやりたかった
先行上映会には、平日にも関わらず300名ものファンが集合。そのトークショーで、音響監督の岩浪美和氏は「いつかはアトモスと言い続けて2年近く。ようやくガルパンで実現できた」と、嬉しさを隠さずコメントした。
前日深夜に音響調整を終えたばかりという岩浪音響監督は「ガルパンでアトモスをやりたかった理由がわかったでしょ?」と会場のファンに呼びかけた。
そして「昨日の音響調整で聴いて、現時点でハリウッドを超えている部分もあるかもしれないと自画自賛した。俺、がんばったなって。実際に手を動かしたのは彼らだけどね」と、音響効果を担当した小山恭正氏、録音調整の山口貴之氏の労をねぎらった。
ガルパン最終章のドルビーアトモス版は、少し特殊な経緯を経て制作された。公開当初に劇場で使用されていたのは5.1chの音源。これが年明けから7.1chにグレードアップした。並行してガルパンではおなじみの「劇場ごとに調整した特別上映」も実施。センシャラウンドと銘打ち、重低音を利かせた極上爆音上映や、9.1chや11.2chにアップミックスした上映などその劇場の設備に合った「高音質」で「迫力がある」サラウンド体験を提供してきた。
岩浪 「ガルパンでアトモスを『やらしてくれ~、やらしてくれ~』と言い続けてきて。試金石となったのは(イオンシネマ幕張新都心の)9.1chの上映で、イオンシネマグループの正月興行の中でもダントツの成績を残せた。ガルパンのアトモス化はみんながたくさん見てくれた、その実績が認められた結果です」
先行上映会が開催されたイオンシネマ幕張新都心では「ULTIRAセンシャラウンド9.1ch イオンシネマ幕張新都心Mix」と称した上映を実施。アップミックスで天井スピーカーにも音を割り振ったもので、これがドルビーアトモス版実現の布石になったのだ。