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羽生結弦がプーさんを寄付するワケを『E.T.』を観て考えた

2018年03月24日 17時00分更新

文● ラモス/ASCII

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親友との別れで、人間は大人になる

 E.T.のストーリーをおさらいしましょう。

 とある森に、宇宙船が飛来します。人間たちの追跡から逃れるため宇宙船は離陸しますが、その際に1人の宇宙人が取り残されてしまいます。エリオットは彼を家に匿い、自分の兄弟とともに交流を深めていきます。

 しかし、E.T.の存在を知っているのは、彼だけではありませんでした。ハロウィンの日、政府機関の科学者たちが家に押しかけてきて、E.T.を奪われてしまいます。彼らはエリオットたちがかくまっていることを察知し、監視していたのです。

 エリオットは兄の友人たちの協力を得てE.T.を助け出し、宇宙船が待つ森に向かいます。いよいよ別れのとき。宇宙船に乗り込む前、E.T.はエリオットに「一緒に行こう」と誘いますが、彼は涙を流しながら「僕は残る」と伝えます。E.T.を宇宙に送り返すという「通過儀礼」で、彼はついに大人になったのです。離陸した宇宙船が見えなくなると、彼らの友情を讃えるように空に美しい虹がかかります。

Image from Amazon.co.jp
Disney ディズニー Winnie the Pooh Plush クマのプーさん ぬいぐるみ 14インチ 35cm

 一部報道では、羽生結弦選手はプーさんたちを現地に寄付するようです。子供の頃からイマジナリーフレンドのように接してきたプーさんを手放すことは、簡単に割りきれることではないでしょう。もしかしたら、プーさんもE.T.のように「一緒に行こう」と誘いたい気分になっているかもしれません。しかし、彼はプーさんを一人占めするような子供ではありません。プーさんが多くの人に愛される存在になってほしいと願っているのでしょう。

 スピルバーグはDVD・ブルーレイの特典映像「『E.T.』の誕生秘話」で、こう語っています。

 “E.T.は家族の絆を深め、3人の子供たちに自信を取り戻させた。家族も再生させた。彼らは生まれ変わることができたんだ。E.T.は平和大使だ。これからもずっとそんな存在であり続けるだろう。”(映像特典の字幕より)

スピルバーグの新作が2本も公開! 80年代SFが復活!?

 『E.T.』の話をしたので、せっかくですからスピルバーグの新作をチェックしませんか? 彼の新作が3月末と、4月半ばに立て続けに公開されます。

 3月30日公開の『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』は、メリル・ストリープとトム・ハンクスが初共演する社会派ドラマ。ベトナム戦争を分析・記録した最高機密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」を暴露するために立ち上がったジャーナリストたちを描いています。

 ちなみに、今回紹介した『E.T.』で著者が1番好きなシーンは、エリオットが科学の時間に解剖されそうになったカエルたちを逃がすところ。弱者に手を差し伸べるこの正義感が『シンドラーのリスト』(1993年)や『プライベート・ライアン』(1998年)、近年だと『リンカーン』(2012年)や『ブリッジ・オブ・スパイ』(2015年)へと結びついていった気がします。

 『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』も、ベトナム戦争で傷を負った人々のために奮闘する、ジャーナリストの姿から目が離せません。

 4月20日公開の『レディ・プレイヤー1』は、西暦2045年、貧富の格差が激しくなった近未来を描いたSF映画。ある日、仮想ネットワークシステム「OASIS」の開発者であるジェームズ・ハリデーが他界。OASISの謎を解明した人に遺産を明け渡す、というメッセージが発信されます。孤独な青年ウェイドが冒険を繰り広げる物語です。

 今やアメリカを代表する巨匠になったスピルバーグ。近年は社会派の作品ばかり撮っていましたが、久しぶりの80年代のスピルバーグが帰ってきました! 著者のようなスピルバーグ・ファンは予告編だけで大号泣です。

 余談ですが、スピルバーグは3時間近くもある長編の戦争映画『プライベート・ライアン』を60日間で撮った、という伝説を持っています。御年71歳になっても、ジャンルの異なる社会派映画とSFモノを一気に撮ってしまうなんて彼以外にはできないでしょう。ぜひ、スピルバーグ・ワールドを堪能してください。

photo by Shakarina

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