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JAWS-UG東北の赤塚さんが「巻き込まれ体験」を赤裸々に語る

JAWS DAYS 2018なう!基調講演は国境を越えるコミュニティの価値

2018年03月10日 14時30分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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2018年3月10日、AWSのユーザーグループであるJAWS-UGはTOCメッセ五反田のおいて「JAWS DAYS 2018」を開催した。午前中の基調講演に登壇したJAWS-UG東北の赤塚誠二さんは、自身の「巻き込まれ体験」を通して国境を越えるコミュニティの価値を語った。

各国のユーザーグループが集まったJAWS DAYS 2018の基調講演

AWSで結びついた参加者たちが海の向こうからやってきた

 JAWS DAYSは年に一度都内で開催されるJAWS-UG最大のイベントで、今年は昨年よりも多い1900人以上が参加者登録したという。昨日まで降り続いていた雨もやみ、会場のTOCメッセ五反田には朝から多くの参加者が詰めかけた。

 「A story of cloud journey with Community」のタイトルで基調講演に登壇したのは、グローバルでの活動が評価され、AWS Samurai 2016にも選ばれた赤塚誠二さん。現在、顔抜きの素晴らしさを世界に拡げるIKJ(International Kaonuki Jounarist)として活躍するほか、サーバーワークスのエンジニアとしても働いている。

IKJとして有名な赤塚誠二さん

 赤塚さんが、基調講演の壇上に今回のJAWS DAYS 2018に参加した韓国、タイ、北米、ブラジル、台湾、中国からの参加者を引き上げると、会場からは大きな拍手が寄せられる。国境や言語の壁を越え、AWSのテクノロジーで結びつくエンジニアたちが一同に会した、まさに今回のテーマである「ボーダーレス」を体現した場面だった。

ユーザーコミュニティには僕たちがほしい生の情報があった

 赤塚さんがコミュニティにコミットするようになったのは、大きく3つの「巻き込み」があった。1つめが2013年9月に開催された「JAWS FESTA 関西」。コミュニティ主導で企画が作られる現在のJAWS DAYSの前身となったイベントで、赤塚さんはこのイベントの運営メンバーとして巻き込まれた。「誰かがこんな話を聞きたいというと、いつの間にか講師がアサインされ、オンラインで計画がどんどん実現されていく。すごい体験だった」と赤塚さんは振り返る。

アリーナじゃない場所を使った京セラドームのJAWS FESTA 関西

 「京セラドーム」と銘打たれた会場も、実際はアリーナではなく、外周スペース。パーティションもなく、スライドを投影するスクリーンも、模造紙でできたチープなものだったが、赤塚さんは、「ここにはエンジニアをだますような情報はなかった。僕たちエンジニアが欲しかった生の情報、クールな情報だけがあった」と振り返る。

 続いての巻き込みは2014年9月に開催された「JAWS FESTA Tohoku 2014~東北IT物産展~」。こちらはJAWS DAYSの地方版とも呼べるJAWS FESTAの第1回となるイベント。コミュニティ同士の連携が強い東北らしく、AWSの枠を超え、地場のコミュニティがこぞって参加し、約300人のユーザーが集まった。そして、懇親会でイベントの成功に酔いしれていた夜、今度は1000人規模のJAWS DAYS 2016の運営委員長を任せられることになる。「やるよねと聞かれたら、答えは『はい』か、『YES』しかない(笑)」とのことで、油断していると、気がつくと巻き込まれているという好例だ。

JAWS DAYSの大会委員長になった瞬間

 極めつけはアジアのコミュニティとの連携だ。JAWS DAYS 2016で登壇した韓国のコミュニティと仲良くなった赤塚さんは韓国のイベントに参加。熱烈な歓迎を受け、国や言葉が違っていてもエンジニアとして目指すものが共通であることを理解した。その後、ソウルや北京で行なわれたAPACのユーザーグループのイベントには、ヘプタゴンの立花拓也さんととともに参加。「立花さんは田舎の会社がAWSを使うことで地域に変革をもたらしてきた話をして、衝撃を持って受け入れられた。青森の会社の人が海外のイベントでオフィシャルなスピーカーとして登壇できた。まさにゲームチェンジが起こったと感じた」と赤塚さんは語る。

巻き込まれ続けてわかったコミュニティの価値とは?

 多くの人に巻き込まれ、多くの人を巻き込みつつも、赤塚さんはコミュニティの価値や目指すモノを長らく言語化できなかったという。 しかし、最近得た気づきは「イベントをやりたくて、コミュニティをやったわけではない」ということ。イベントはあくまで「石垣」に過ぎず、本来は新しいエコシステムを実現する「カテドラル」を作りたかったのだと赤塚さんは説明する。「AWSが他のクラウドとの価格表を出すだけだったら、僕らは共感しなかった。彼らが描いたゲームチェンジに僕たちは共感した」と赤塚氏は語る。

Developing the Cathedral!

 そして赤塚さんは、コミュニティの目的として「Find new heroes!」「Have fun!」「Make a difference」「Go Global!」の4つを挙げる。特に新しい才能の発掘はコミュニティの大きな役割で、「スターじゃないロックスター。マネージャじゃないリーダー」こそ必要だと強調する。

 最後、赤塚さんはグローバルのAWSがコミュニティ連携を支援する「AWS Global Community Support Program」のプログラムをAWSに提案する。赤塚さんは、「たとえば、グローバルのイベントにコミュニティメンバーを招待するなどの施策を進め、若者に勉強してもらう。こうして質の高いエンジニアをどんどん育てていく。そんなAWSだったら、最高ですよね!」と語り、基調講演を終えた。JAWS DAYSは今日の夜まで開催しており、機械学習やIoTなどの最新トピック、海外グループやコミュニティ同士の座談会など数々のセッションが行なわれる。

AWS Global Community Support Programの提案

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