みんなが知ってるアレもシャープ製だった!
BtoBで厚く支持される秘密
編集A ……って、ここどこ!?
宣伝担当 奈良、ですかね。
シャープの石川さんに「インフォメーションディスプレイならとっておきの人たちがいるので会いに行ってください」と言われ、案内された通りに行ってみたら、奈良だった。
やがて辿り着いたのは、10万平米の敷地を誇るシャープの奈良工場。インフォメーションディスプレイのほか、複合機やPOSやハンディターミナルなどがここで開発されている。また、MURAMASAやZaurusといったシャープの代表的モバイルガジェットが生まれた地でもあるのだ。
編集A さて、デジタルサイネージの現状とか、シャープ製の新型インフォメーションディスプレイの特徴とか、ガッツリ教えてもらいましょうか!
―― 本日はよろしくお願いいたします! さっそくですが、シャープさんのインフォメーションディスプレイについての取り組みを教えてください。
村松 はい。よろしくお願いします。ビジュアルソリューション事業部の村松です。営業部の石川からいろいろ伺っていますよ。
ビジュアルソリューション事業部は、タッチパネルを含むディスプレイを使って“街を変える、オフィスを変える”というテーマで12年前からこの事業に取り組んでいます。
街を変えるというのはインフォメーションディスプレイを活用したデジタルサイネージ、オフィスを変えるというのはBIG PADなどのタッチディスプレイ製品になります。この「インフォメーションディスプレイ」と「BIG PAD」が当事業部の二本柱です。
―― 12年前というと、パソコンのモニターがCRTから切り替わった頃ですね。液晶はまだまだ高かった印象があります。
村松 そうですね。2005年に発売した第1号機である45インチのディスプレイも非常に高価なものでした。しかしその後も改良を重ねてラインナップも拡充し、今ではさまざまな場所で使われています。
―― たとえばどんな場所に?
村松 業種としては交通機関での活用が多いですね。駅や空港などの柱に取り付けていることが多いです。ある調査会社のデータによると、日本には数百万台のデジタルサイネージがあるそうですが、そのなかでも交通機関の普及率は約54%となっています。
―― 確かにこの10年ほどで駅にはデジタルサイネージを使った広告が多くなりましたね。品川駅港南口連絡通路いっぱいに並んでいる大型液晶の列はいつ見ても壮観ですし、新宿駅は紙がすべて液晶に置き換わってしまったのではと思うほどデジタルサイネージで覆われています。他の業種はどうでしょう?
村松 交通機関以外でも、さまざまな業種で導入が進んでいます。アパレルを中心としたファッション関連業種やカーディーラー、銀行、証券会社、官公庁などなど。最近の傾向としては高精細な4Kディスプレイの引き合いが多くなっています。また、屋内だけでなく、屋外でのLEDディスプレイなどのニーズも増加傾向ですね。
―― 逆に、デジタルサイネージの導入が進んでいない業種はありますか?
村松 やはり流通小売業、つまりリテール分野ですかね。調査会社のデータをみても、潜在需要に対する現状の普及率は約1割と言われています。店頭などを見ていても、非常に多くの需要が眠っていると感じています。
交通機関やショッピングモールへの普及率は約4~5割に達していますが、たとえばリテール分野、つまりお店の前に置いて広告するようなサイネージディスプレイの市場がまだ大きく残っています。
―― 海外ではどうなんでしょう?
村松 2015年の市場規模と比べて、2021年には1.5倍ほど成長すると予想されています。また、その大きさも、今主流となっている60インチサイズよりも大きいサイズのディスプレイの比率が増えると言われています。
―― 国内と海外で使われているインフォメーションディスプレイに違いはありますか?
村松 海外では、ディスプレイにAndroidやLinux、Web OSなど、さまざまなOSを搭載したコントローラー内蔵ディスプレイが主流で、6~7割を占めています。一方、国内はまだまだこれから、といったところですね。