視聴者参加型ライブ小説というジャンル
SHOWROOM代表、前田です。SHOWROOMという生配信サービスを運営しております。最近、「ライブ小説(ライブ紙芝居)」にハマっています。これは、自分自身が生配信をして、視聴者の方々とやりとりをしている過程で偶然生まれた企画で、恐らく、まだほかに例を見ないのではと思います。
やり方は簡単で、まず、なんらかキャラクターの映っている静止画を貼り付けて生配信をします。普通の生配信ではリアルタイムに動く自分を見せるものなのですが、ライブ小説では、静止画を何枚か用意して配信をするのがポイントです。その世界観の中で一人何役かをこなしながら、“即興で”物語を考え、それぞれのキャラとして演技をする、というものです。
視聴者のコメントによって物語がどんどん変化する、いわば視聴者参加型コンテンツで、物語がどう転換するかわからない。決して予定調和ではない新しい物語の形をライブ配信で創っていけるのではと、今後の広がりにワクワクしています。作家の方々など、脚本やストーリーを紡ぐことを生業とされている方がここに参加してきたら、どんなおもしろい物語ができていくのだろう、と思います。
動画メディアをマーケティングにどう生かすか
さて今回は、動画メディアの発展が「広告・マーケティング文脈」で何をもたらすのか、という話をしたいと思います。
冒頭に申し上げたライブ小説の事例も同様なのですが、動画メディアの肝は「エンゲージメント」であり、「深さ」です。視聴者参加型・双方向性を特徴としているがゆえに、それぞれのコンテンツ単体で影響を及ぼせる人数、すなわちリーチ数にはどうしても限界があります。
ただ、まさにスナックのように、リーチできる人数に制約がある分、そのコミュニティーに属する視聴者の深さは、かなりのものになります。今までの「幅」を志向するようなメディアに比べて、圧倒的に強い絆が生まれます。この「幅はマスメディアほどではないが、とにかく深い」コミュニティーをうまくマーケティングに活かしていくことがこれからの広告のあり方としておもしろいと思っています。

この連載の記事
- 第335回 100点を目指さない勇気。家庭と仕事、両立時代のキャリア戦略
- 第334回 心の病気になりかけている。でも、休むことが怖い…
- 第333回 AITuberが競馬予想「うちゅうじんは競馬がしたい!」
- 第332回 【悩み】部下が流産。自分には子がいる。どう気遣うべき…?
- 第331回 死産後、うれしかった言葉 しんどかった言葉
- 第330回 ボカロ曲を作ったら、わからないことだらけで面白かった
- 第329回 ChatGPTがくれた「亡き子からの手紙」 喪失から立ち直るきっかけに
- 第328回 子の命を止めるなら、せめて下から産みたい──命がけで貫いた私の出産選択
- 第327回 DTM勢、AIを使って曲を作る。走り出しの補助をしてくれるのがよかった
- 第326回 初めてゲーミングPCを買った ローカルAIぶん回すぞ〜
- この連載の一覧へ

























