ジャパンディスプレイは12月12日、同社の技術説明およびVRゴーグル向け高精細ディスプレーパネルの説明会を開催した。
同社はソニー、東芝、日立製作所のディスプレー部門を統合する形で2012年に設立された企業。設立から5年を迎えた。
トランジスタを小さくできる
ジャパンディスプレイのコア技術「LTPS」
同社執行役員チーフテクノロジーオフィサーの瀧本昭雄氏は、同社のコア技術である「LTPS」(低温ポリシリコン)について説明。
TFT液晶は薄膜トランジスタに「アモルファスシリコン」方式を採用するのが主流だが、LTPSはスマホなどの中小型ディスプレーでシェアを急速に拡大しており、9型以下のディスプレーにおいては来年あたりにシェアが逆転する勢いとなっている。
その最大の特徴はトランジスタを小さくできること。画素1つあたりのトランジスタの大きさが小さくなるため、開口率が上げたり、解像度を高くすることができる。
また、ディスプレー外のフレーム、いわゆる額縁部に配置するトランジスタも小さくなるため、狭額縁化が可能。製品をより自由にデザインできる。
さらに、高速なスイッチングが可能で応答速度が速く、動画などをくっきりを表示できる。
このLTPSの特徴を応用して開発が進められているのが「FULL ACTIVE」という技術。トランジスタの小型化やレイアウトの最適化などにより額縁部を極限まで狭めるという技術だ。
現在試作されているスマホ向け(6インチ、FHD+)のものでは、左右が1.6mm、下が4.55mmというフレームサイズを実現している。
さらに、曲線や丸い穴などの複雑な形状に対応するディスプレーパネルも開発。角を丸め、カメラのレンズ部分用に丸く穴をあけたパネルも開発している。
現在、スマホの正面における画面占有率は80%ほどとなっているが、「90%を超えるには技術的な仕掛けが必要」と語る瀧本。FULL ACTIVEがその解決策になると自信を見せた。