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40代編集者が一度挫折したピアノに再びハマる

デジタルの力でピアニストに、40代で目覚めるクラビノーバ

2017年12月15日 11時00分更新

文● 小林 久 編集●ASCII

提供: ヤマハミュージックジャパン

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楽譜が読めない人でも大丈夫、音ゲー感覚で弾けるストリームライツ

 ここまで説明してきて、すごいと思ってくれた人がいる一方で、いやいやそうはいっても楽譜もコードも読めないし、そもそもピアノすらほとんど弾いたことがないと感じた読者もいたかもしれない。実はそういう初めてピアノを弾いてみる人向けの機能もクラビノーバ CSPシリーズは備えている。

ストリームライツ

 それがLEDに合わせてタイミングよく鍵盤を押すだけで、曲に合った伴奏ができてしまう「ストリームライツ」機能だ。基本的には、上から下に流れてくるLEDの光に合わせてタイミングよく鍵盤を押すだけで曲が演奏できてしまう。考え方は昔からあるシンセやキーボードにも搭載されている「光る鍵盤」と同じで、光っている場所を押せば、演奏ができてしまう。楽譜が読めなくても平気というやつだ。

 ただしクラビノーバ CSPシリーズは、ここにも工夫を入れている。

 単に鍵盤が光るだけだと、押す音は分かるがリズムは遅れがちになる。しかしクラビノーバ CSPシリーズでは「このタイミングでこの鍵盤を押す」という情報を分かりやすく伝えるために、曲の進行合わせて4列あるLEDの上段から下段に向けて光が流れるように曲の進行に合わせて落ちてくる仕組みになっている。

 上から光が落ちてきて、一番下のライトが光ったタイミングで鍵盤を押す、音ゲーに近いイメージだ。利点は次に来る音が先読みできること。この音が次に来ると分かればタイミングが取りやすいし、単に和音を「同時押し」するだけでなく、「階段押し」(アルペジオ)や「交互押し」(トリル)のようにパターンが少し複雑になっている場合でも対応しやすい。さらに白鍵を押す場合は赤く、黒鍵では青く光るため、押す場所を迷いにくい。

 ということで、楽器は弾いたことがないがゲームには慣れているという人にも入ってきやすいはず。

 自分でやってみた感想としては、楽譜を読むのとはちょっと勝手が違い、最初は少し戸惑ったのだが、1、2、3、押す、1、2、3、押す……という心の準備ができるので、タイミングが合わせやすいし、ピタッと決まったときはなかなかの快感が得られる。

 ちなみにストリームライツを使って演奏する際も、演奏の速度を遅くしたり、正しい場所を押せたら曲が進むといった具合に、演奏する際も自分のペースに合わせてゆっくりと練習ができる。つまり俺に合わせてみんな待ってよと言えるわけ。このあたりも電子ピアノならではの柔軟性と言えるだろう。この機能がオーディオトゥスコアで作成した譜面にも対応しているというから驚きだ。

もちろん電子ピアノとしても本格派

 以上伝統あるクラビノーバシリーズの中でも新機軸を示したCSPシリーズの特徴について見てきた。ガジェット好きや、一度やめてしまったピアノを再開したいという人に便利な機能が中心だったが、もちろん電子ピアノとしてみた場合に重要な鍵盤のつくりや音源に関してはCLPシリーズのミドルレンジモデルであるCLP-635/CLP-645に準ずる形で問題ない仕上がりだ。

 CSP-150とCSP-170には価格差があるが、違いは鍵盤とスピーカー。CSP-170は樹脂でなく木製の鍵盤を使用し、中高域と低域を分けた2ウェイスピーカーにスピーカーボックスを加えてより厚みのある音で鳴るようにしている。

CSP-170は木製鍵盤。押すと側面から分かる

 鍵盤に関してはCSP-150が象牙調・黒檀調仕上げのGH3X鍵盤、CSP-170が白鍵に無垢の木材を使用した象牙調・黒檀調仕上げのNWX鍵盤を採用。ともにエスケープメントと呼ばれる、グランドピアノで鍵盤を弱く押したときに感じる手ごたえも再現している。

 音源に関しては税別で1900万円もするヤマハのフルコンサートピアノ「CFX」や世界3大ピアノメーカーのひとつ、オーストリア・ベーゼンドルファー社の「インペリアル」の音を実際にサンプリングした音源を搭載。

 この二つのピアノ音色はサンプリングした音だけでなく、バーチャル・レゾナンス・モデリング(VRM)という弦の共鳴音、響板の響きなどの複雑な響きをモデリングした音も同時に鳴らしており、華やかで深みのある音を実現しているのだ。音色はオルガン、ギター、ベース、ストリングス、コーラス、ブラス、パーカッション、ドラム、シンセサイザーなど、合計692音色+29ドラムも用意されている。

 内蔵する自動伴奏のパターン数(スタイル数)は470種類。自分の演奏にバックバンドが応えたり、マイクにつないで弾き語りしたり、ハーモニーを付けることができる。

CSP-150のスピーカー

CSP-170は2ウェイでさらにスピーカーボックスに収納されている

 価格的には、CSP-150B/WH(ブラック/ホワイトウッド調仕上げ)が最も安価で22万円(税抜)。CSP-170PE(黒鏡面艶出し仕上げ)が最も高価で32万8000円(税抜)。CSP-150/170とも黒鏡面艶出し仕上げにすると価格が4万円プラスとなる。

 ミドルクラスの製品ということもあり、趣味で使うには十二分な弾きごたえがあったし、なにより弾いていて楽しいオンリーワンの機能を持っている。長く使えるものだし、ボーナスや年末のお買い物の候補の一つとしてどうでしょう?

 ひとりで弾いても浸れるし、大きめのリビングがあるうちなら、家族と一緒に弾いても楽しいはず。知人を集めたホームパーティーで、練習の成果をちょっと自慢したいといった用途でも大活躍しそうだ。限られた時間で満足度の高い演奏をしてみたい。そんな社会人ならではのニーズにこたえてくれる素晴らしいピアノが出たものだなあと感心した。

興味を持ったら体験しに行こう

 この記事を読んで興味を持ったらぜひ実機を体験してほしい。クラビノーバ CSPシリーズは、下記の店舗(全国の楽器店や家電量販店)で体験が可能だ。文字と写真だけではなかなか伝わらない、本機の使い勝手や魅力なども実機に触れるとより実感できると思うので、ぜひ店頭にも足を運んでほしい。

(提供:ヤマハミュージックジャパン)

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