今年1月の総務省によるガイドライン改正にしたがって、SIMロック解除に関する各キャリアのルールが12月1日に変更された(Y!mobile、UQ mobileを含む)。あらためて変更点を中心にまとめていこう。
ちなみにドコモだけは今年5月の時点で新ルールに先行して変わっており、12月1日に主要3キャリアがほぼ同内容になった形だ。しかし、説明が煩雑になるので3キャリア合わせて紹介していく。
iPhoneであればiPhone 6s以降でSIMロック解除可
一括購入で即日、分割購入で100日経過後に手続きできる
まず、前提条件を確認しておきたい。SIMロック解除に対応しているのは、2015年5月以降に発売された端末だ(ドコモのAndroidスマホは2011年から対応している)。iPhoneであれば、iPhone 6sシリーズ以降(iPhone SEを含む)。まだまだユーザーが多いであろうiPhone 6やiPhone 5では、そもそも対応していない。
そして、12月1日以降に可能になったのは、一括購入時のすぐのSIMロック解除。以前は各キャリアとも一括/分割購入のどちらでも、基本的には購入から約6ヵ月を経過しなければSIMロック解除ができなかった。それが一括購入であれば購入すぐからできるようになった。
なお、変更されたルールはそれ以前に購入した人にも適用されるので、たとえば11月にauやソフトバンクのiPhone Xを一括購入した人もすでにSIMロック解除が可能になっているはず。
ただし、ドコモの「端末購入サポート」のように、一定期間の利用を条件に端末価格を大幅に割り引く販売形態の場合は、次に紹介する分割購入時のルールが適用されるので注意してほしい。
つづいては、分割購入時の場合。実はこちらは8月1日の時点でルールは変更済みだ(前述のようにドコモは5月に変更)。
分割購入時にSIMロック解除が可能になるのは以前は約6ヵ月後だったのが、101日目以降に短縮されている。つまりiPhone 8やiPhone Xを分割払いで購入した人はまだSIMロックは解除できないが、夏頃にスマホを購入した人はすでに解除が可能になっているはずだ。
SIMロック解除の手続きはオンラインが手っ取り早い
auも購入者以外はSIMロック解除が不可能に
実際のSIMロック解除は、各キャリアのサポートサイトから手続きするのがオススメ。キャリアショップやサポート電話では3240円の手数料が必要なためだ。サポートサイトで該当のメニューを探し、その途中でIMEIと呼ばれる端末の識別番号を入力する(IMEIは端末で「*#06#」とダイヤルすると表示される)。ただし、手続きを完了するには、それまで使っていたのと異なるキャリアのSIMが必要となるケースがある。
一方で12月1日から不利に変更された部分もある。それはau。従来は中古で入手した端末であっても、auショップで手数料を支払うことでSIMロック解除が可能だったのだが、12月1日以降は申し込めるのは購入者だけで、契約中または解約から100日以内でなければならない(ドコモ/ソフトバンクは以前から同様の制限があったので、3キャリアのルールがそろった形)。
中古ケータイ専門店などでは、SIMロック解除の有無で下取り価格が上下することがあるので、あらかじめ手続きしておくのが良さそうだ。また、ドコモスマホはSIMロックを解除しなくても、ドコモMVNOの格安SIMがそのまま利用できるが、auのVoLTE対応スマホの場合は、SIMロックを解除しないとau MVNOの格安SIMも利用できないので特に影響が大きい(このような制限は今年8月以降に発売の端末では認められなくなった)。
iPhone以外はSIMロックを解除しても
他キャリアで“快適”に使えるとは限らない
このように少々複雑なSIMロック解除だが、それとは別にSIMロックを解除したからと言って、他社のSIMで不満なく使えるわけではない点には注意してほしい。というのも他キャリアの周波数には対応していないケースがあるからだ。
ただし、iPhoneは話が別。iPhoneは基本的に1つのモデルで国内3キャリアから提供されているうえに(つまり3キャリア全部の主要バンドに対応している)、海外で使われている周波数も広くサポートしている。前述のような中古ケータイ専門点でSIMロックを解除したiPhoneが比較的高く下取りされているのもこれが理由の1つ。ウェブ経由での手続きならお金もかからないので、試してみる価値があると言える。