アプリのプロモーションをする際に必ずプランに入るであろう、Googleのユニバーサルアプリキャンペーン(UAC)を解説します。UACは、特にAndroidアプリのプロモーションにおいて圧倒的な存在感があります。
11月15日には大きなアップデート「Googleのアプリにおける新規獲得プロモーションをすべてUACに統合」があります。アップデートの内容と併せて、UACがどんなプロダクトなのか、運用やクリエイティブも併せて解説します。
Googleのアプリプロモーション
Googleのアプリプロモーションに関するプロダクトは大きく4つに分かれています。
- Search
⇒通常ブラウザの検索結果だけでなく、Google Playにも配信される検索広告 - Display
⇒Admobを中心としたアプリの配信面に配信される、ディスプレイ型の広告 - YouTube
⇒TrueView広告やディスカバリー広告等の、YouTubeの中にある動画広告 - UAC
⇒上記すべてに配信でき、自動的に最適化がかかる広告配信方法
UACとは
UACとは「Googleの最適化機能を最大限活用した配信方法」です。
前述の通り、自動的に配信先を選び、効果の良い所に配信が寄ります。どの項目を参考に自動最適化しているか代表的なものを下図にまとめました。
管理画面で見られない項目も含めて、Googleが運用自動化します。
この効果は凄まじく、Googleの広告経由のインストールの50%以上をUAC経由が占めるようです。
最適化が高次元でできるだけでなく、UAC独自で配信できる枠も存在します。
この枠はUAC経由のみ配信できます。各アプリページの下部で訴求可能であり、且つカルーセル形式です。CVRが高く、かなりの在庫量が期待できるでしょう。
UACに統合される事によるデメリット
UACの良い所を取り上げましたが、下記3点などUAC統合によるデメリットも発生します。
1. 指定キーワードで検索広告が配信不可
指名検索やTVCM使われているイベントキーワードなどをコントロールできません。Google側で最適化された結果、露出はしていると思いますが、結果の振り返りができません。
指名キーワードによるCV増加やその後の課金など、その後の結果が分からない難点があります。
2. YouTube「ブランドリフト」利用不可
UACは広告配信方法にも自動最適化がかかるので、TrueViewだけを選択する「インストールCPN」ができず、ブランドリフトに必要な一定以上の動画視聴を担保できません。
検索広告同様、どの動画で検索クエリが伸びたか、間接効果が起こったのか計測できないのです。
3. 配信不可となる配信先がある
一部UAC配信先として下記2点が利用不可です。
- TrueViewのディスカバリー広告の配信枠
- iOSモバイルweb&検索広告
元々UACでは不可で、個別に指定することで各サービス(Search/Display)に配信可能でした。既にUAC以外アプリインストール向けCPN(新規向け)はCPN作成ができず、配信されません。
運用方法
Google自動化に任せるだけでなく、効果を最大化する為の運用方法を解説します。
UACは設定したインストールの上限単価に向かって配信最適化していました。入札の単価や日予算を上下させる事以外、運用のレバーがありませんでした。
しかし、今後は複数の入札方法があります。
入札方法
1 CPI入札
設定したインストール上限単価に合わせて最適化する。
2 CPA入札
インストール以降に設定したアプリ内のイベント(会員登録や課金等々)に対して設定した上限単価に合わせて最適化する。
3 ROAS入札※現在開発中
設定したROASの金額に合わせて最適化する。
クリエイティブ運用
前述のCPN運用より差がつくポイントがクリエイティブです。
Google新管理画面でクリエイティブの良し悪しを確認できます。結果を活用してクリエイティブを運用する事が肝です。
UACで入稿できるさまざまな種類のクリエイティブを網羅する事で結果が大きく変わります。
入稿物はテキスト、静止画、動画の3種類があります。入稿規定かは下記を参照ください。
■入稿規定
種類 | 推奨フォーマット |
---|---|
横長の画像 | 1200×628 |
インタースティシャル(縦向き) | 320×480 |
インタースティシャル(横長) | 480×320 |
スクエア | 300×250 |
バナー 1 | 300×50 |
バナー 2 | 320×100 |
ビッグバナー | 728×90 |
タブレット | 1024×768 および 768×1024 |
動画 | 15-30秒(秒数が異なる尺のものを) |
クリエイティブの入稿本数は最大20個です。在庫が多いものを中心に各サイズのクリエイティブを網羅しましょう。クリエイティブの網羅率が高い方が、Googleで最適化できる要素が増えるため、効果改善される案件が多いです。
最後に
以前、自動化機能と上手く付き合っていく方法について書いた記事のように、細かく実施する運用よりも、媒体の自動化を上手く利用する運用が増えてきています。
媒体側の自動最適化機能を最大限活用する為に、各機能を使い分ける事が結果に繋げる一番のポイントです。
AndroidのアプリプロモーションにはUACを上手く使う事が必要不可欠なのです。
(記事提供:D2Cスマイル)