パートナーと連携し、IoTデバイスの設計から破棄までセキュリティを実現
新生サイバートラスト、セキュアIoTプラットフォームの本格展開を発表
2017年10月25日 09時00分更新
10月1日、ミラクル・リナックスは旧サイバートラストの吸収合併および社名変更を完了し、新生「サイバートラスト株式会社」として業務開始した同社は10月24日、同社の提唱する「セキュアIoTプラットフォーム」の本格展開とパートナー企業10社との戦略的パートナーシップを発表した。
IoTデバイスのライフサイクルを通じてセキュリティを組み込む
IoT実用化が加速化する現在、ミラクル・リナックスのOSS/Linux事業と旧サイバートラストの認証・セキュリティ事業を基盤としたIoT事業を基軸に、他業種のパートナー企業とともに組み込み機器のファームウェア更新サービスやウェアラブルデバイスのセキュリティ対策、クラウド連携時のセキュリティ、IoT機器の脆弱性診断サービスなど、安心・安全に活用できるIoTソリューション/ビジネスの創出に取り組む。
サイバートラストの代表取締役社長に就任した阿多親市氏は世界のIoTデバイス数は2017年の200億台から2021年の350億台まで増加するとの予測を紹介(総務省「平成29年版 情報通信白書」)。「チップの進化やメモリ領域の増加で、IoTデバイスに実装される機能は今後さらに高度化する。加えて耐用年数も長いというメリットも手伝い、活用シーンはさらに広がるだろう」と述べた阿多氏は、「だからこそ、脆弱性を修正できない現状の設計思想から、アップデートを適宜かけられるようなセキュリティ・バイ・デザインへ転換することが重要だ」と強調した。
サイバートラストのセキュアIoTプラットフォームは、IoTデバイスの設計から破棄までライフサイクルを通じて、一気通貫のセキュリティを実現する。まずは半導体の製造時に共通鍵をセキュア領域に書き込み、デバイスには証明書をインストールして機器の真正性を保証、出荷および起動時はファームウェアの確認やセキュアブートを実施し、運用時はOTA(Over The Air)によるソフトウェアアップデートをかけて、最終的に破棄する際はユーザーからの連絡を受けて証明書を無効化する。
そして、この取り組みをさらに強化するため、同社はパートナー企業との協業・連携に注力する。事業戦略発表会に登壇したパートナー企業は、アーム、Taisys Technology、大日本印刷、日本電気、日本マイクロソフト、ミツフジ、ミルウス、ユビキタス、ラック、ラムバスの10社。ユビキタスとはIoT機器向けの脆弱性診断サービスの開発を実施、運用時のクラウド連携についてはマイクロソフトと提携する。ミツフジは生体データで体調変化を見える化する着衣型ウェアラブルIoTブランド「hamon」で生体データの安全性を守るためにセキュアIoTプラットフォームを採用。来年1月に米ラスベスガス開催される「CES 2018」での参考出展に向けて準備を進めている。
「中立なプラットフォームとして、イノベーションの加速や新規ビジネスの創出を支援し、IoTデバイスを安心・安全に活用しながら恩恵を受けられる社会作りに貢献したい」(阿多氏)。