Core i7にGeForce 940MX搭載、イマドキスペックで実用性◎
レトロデザイン×ハイスペック、「ThinkPad 25周年記念モデル」は7列キーボードで原点回帰!
2017年10月28日 09時00分更新
ThinkPadの誕生から25年周年となる今年、歴代ThinkPadへのオマージュとして25周年記念モデルとなる「ThinkPad 25」が発売された。世界中のThinkPadファンから要望を集めたというだけあって、古くからのファンならこだわりたいというポイントが押さえられている。最大の特徴は、青いEnterキーやキートップの形状など、以前の7列キーボードが再現されていること。しかも、「ThinkPad」の文字は昔の「IBM」のようにR(赤)、G(緑)、B(青)カラーが施されるというこだわりようだ。
本製品は1000台限定モデルとなっており、残念ながらすぐに売り切れ、すでに購入することはできない。しかしながら、ThinkPad 25は、昔のモデルを単純に復活させたのではなく、しっかりとイマドキのスペックで再現されていたので、その気になる性能について紹介したい。
7列キーボードの再現とはいえ、押し心地は今風に変化
スペックなどはとりあえず脇に置いて、誰もが気になっているキーボードを見ていこう。冒頭で触れた青いEnterキーはもちろんだが、カーソルキーの左右に「進む」「戻る」動作になるブラウザキー、最上列に「Delete」「Home」「End」「PgUp」「PgDn」キーが並んでいると、懐かしい気持ちになるのは確かだ。さすがに「ThinkVantage」や「AccessIBM」ボタンまでは再現されていないが、ミュートやボリュームボタンはしっかりと搭載されている。また電源ボタンが右端ではなく、中央に配置されているのも昔と同じだ。
キートップは隙間があるアイソレーションではなく、中央が凹み、4辺が斜めにカットされている昔のままのデザインだ。ただし、記憶頼りの比較となってしまうが、キートップはだいぶ薄くなっているように感じた。また、キーの押し始めがやや重たいこと、ストロークが浅めということもあって、キーのタッチ感まで再現されているとはいいがたい。当然といえば当然なのだが、このあたりの感触は今のアイソレーションと同じと考えた方がいいだろう。
トラックポイントのキャップは、ザラザラとした感触のあるクラシック・ドーム、柔らかく広がりのあるソフト・ドーム、中央に凹みのあるソフト・リムの3種類が付属。好みで選べるのだが、ここはあえてクラシック・ドームを付けて使いたいところだ。ただし、汚れやすいところまで昔のままなので、その点には注意したい。
本体はしっとり感のあるラバーコーティング仕様
外箱も特別仕様で記念モデルらしさが際立つ
本体は樹脂丸出しではなく、昔のThinkPadのようなテカリがなく滑りにくいラバーコーティング仕様だ。とはいえ昔ほどラバーっぽさは感じられず、どちらかといえばしっとりとした手触りで、かなりの好印象だ。年単位で時間が経つと加水分解でベトベトしたり、パームレストが剥げてテカテカになる可能性もなくはないが、さすがにそれは使い込んでみなければわからない。ThinkPadではよくあることだったので、むしろ、そうなることを期待してしまう気持ちも少しある。
ひと通りざっと触った印象だが、7列キーボード、ラバーコーティングといった大きな特徴をもたせて古いThikPad感を前面に出しながらも、使い心地はイマドキのThinkPadそのもの。車などにある「クラシック風デザイン」という趣だ。とはいえ上っ面だけ真似たという浅さはなく、ポイントをしっかり押さえてくるあたりは、古くからのファンも納得できる出来栄えだろう。
ちなみに、25周年記念モデルということでパッケージも特別仕様だ。ツヤ消しブラックの外箱には左上に控えめに「Anniversary Edition 25」、右下にRGBカラーの「ThinkPad」の文字がデザインされ、また目立たないようにだが「25」が意匠されているという、ThinkPadらしさのある落ち着いたものだ。さらに、ThinkPadの歴史が語られている小冊子が同梱されているので、ファンであればこの冊子だけでも楽しめそうだ。