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10年の実績を持つRPAホールディングスとソリューション開発

15分の見積もり作成が3秒に!ソフトバンク、RPA事業に本腰

2017年10月19日 16時30分更新

文● 大谷イビサ/Team Leaders

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10月19日、ソフトバンクはRPA(Robotic Process Automation)ソリューションである「SyncRoid」の提供を開始した。7月に業務提携を発表したRPAホールディングスに出資するとともに、ソリューションを共同開発することで、ソフトウェアロボットによるホワイトカラー業務の代行を推進する。

ルーティンワークを代行するRPAの導入を容易にする

 AIやIoT、VR、自動運転など第4次産業革命をリードするテクノロジーの1つと言われるRPAは、ホワイトカラーのルーティンワークをレコーディングすることで人に変わって代行するソフトウェア型のロボットを指し、「仮想知的労働者(Digital Labor)」とも呼ばれる。既存の業務システムを変更することなく、人間の作業を代行することで、圧倒的な生産性を実現するという。

ルーティンワークを代替するRPA導入後の職場環境

 今回ソフトバンクから発表されたSynchRoidは、RPAホールディングス傘下で4000以上のソフトウェアロボットの導入実績を持つRPAテクノロジーズの「BizRobo!」をベースに開発されたRPAソリューションになる。PCの作業を一度だけシンクロさせれば動作するアンドロイドということで、SynchRoidと名付けられた。ITの知識が少ない現場部門でも容易にロボット開発が行なえ、事務処理にとどまらない幅広い作業で利用できるのが特徴になる。

 「日本国内No.1のRPAカンパニー」を謳うRPAテクノロジーは2000年に創業されたRPAメーカー。RPAホールディングス代表取締役の高橋知道氏は、「10年前、ロボットと言えば工場での産業ロボットしかなかったが、今後ホワイトカラーでも同じことが起こってくるのではないかと思い、RPAという言葉が出てくる以前から事業を展開してきた」と語る。

工場での産業ロボット導入と同じことが、RPAによりホワイトカラーでも実現する

AIやロボットとも連携でき、プログラミングより容易に導入できる

 この事業の立ち上げには、ソフトバンク自体がRPAを導入してきたことが背景にある。ソフトバンク 代表取締役 副社長 兼 COOの今井康之氏は、「働き方改革を自分たちでどうやって進めるかが課題だったが、現場のメンバーが大変だと考えているところに、RPAを使って大きな効果を得ることができた。これはぜひほかの企業にも展開したいと考え、今回の発表に至った。お客様の関心も非常に高い」と語る。

ソフトバンク 代表取締役 副社長 兼 COOの今井康之氏

 3年前にRPAを導入したソフトバンクでは現在、同社では152人の開発者が358件の開発プロジェクトが動いており、1ヶ月の削減時間はすでに9000時間におよんでいるという。3ヶ月くらいで3~4つくらい作っていくと、自分で開発できるようになるため、プログラミングに比べて手軽に導入できる点が大きな売りになるという。

 たとえば、見積もり依頼のメールが来た場合、IBM Watsonがメール内容を解析し、手作業を自動化するRPAが見積もりシステムに入力を行ない、見積もりを自動生成することが可能になる。これによって従来15分かかっていた作業を99%以下の3秒にまで短縮し、顧客満足度の向上に寄与するという。

見積もり依頼の作業をRPAで自動化

 また、Pepperのようなロボットをユーザーインターフェイスとして用意し、RPAと連携することも可能だ。動画で紹介された小売り店舗の事例では、Pepprがバーコードから指定したサイズや色の服の在庫をオンラインショップまで含めて探し、待たせている間はコーディネートやリクルーティングまで行なうというもの。まさに現在、店員が電話やスマホでやっている作業をロボットとRPAが代替しているという事例になる。

 30年前にパソコン、20年前のインターネット、10年前のスマートフォンの浸透で産業は大きく変化し、人手不足が深刻化する今後はAIやロボットが業務の現場に導入されると見込まれている。こうした時代において、両社は単なるビジネスを伸ばしていくだけではなく、新しい時代を作っていくというのが今回の協業の狙い。RPAホールディングスの高橋氏は、「リーディングカンパニーの強みを出し合っていくことで、ロボットやAIの普及促進をリードしていきたい」と抱負を語った。

RPAホールディングス代表取締役 高橋知道氏

 Synchroidの提供開始は11月を予定。用途や効果の検証を前提とする「ライトプラン」と本格導入を前提とした「ベーシックパック」の2つのプランが用意される。ライセンス提供はもちろん、Eラーニングや検定試験、ワークショップ形式での研修や開発支援も用意されている。料金はライトパックが90万円/年で、ベーシックパックが60万円/月になる。

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