さとうなおきの「週刊アジュール」 第3回
Azure ADに3つの新機能が登場、SQL Server 2017のVMイメージをリリース
サーバーレスアプリ実行環境「Azure Functions」がJavaをサポート
2017年10月13日 10時30分更新
こんにちは、さとうなおきです。「週刊アジュール」では、先週の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。
Azure Virtual Machines:秒単位より優れた課金体系
先週、Azure Virtual Machinesの課金体系について興味深いブログポスト「Achieve better savings with best-in-class cost management on Azure」があったので紹介します。
Azure Virtual MachinesのVMでは、秒を切り捨てて、分単位で課金されます。たとえば、VMが10分59秒 (659秒) の間、実行されていた場合は、Azureでは、600秒に対してのみ課金されますが、他のクラウド プロバイダーでは、659秒に対して課金されます。秒単位課金よりも安価になりますね。
詳細については、私の個人ブログ「Azure Virtual Machinesの秒単位よりも優れた課金体系」も併せてご覧ください。
Azure Functions:Javaサポート
サーバーレスアーキテクチャのアプリケーション実行環境を提供するAzure Functionsで、Javaサポートのパブリックプレビューがリリースされました。
Mavenプラグインを使って、Javaプロジェクトを作成できます。また、Eclipse、IntelliJ IDEA、Visual Studio Codeを使ってローカル開発することもできます。
詳細は、ブログポスト「Announcing the preview of Java support for Azure Functions」、Java/Mavenのクイックスタートをご覧ください。
Azure Virtual Machines:SQL Server 2017 VMイメージ
10月2日に、リレーショナルデータベース製品であるSQL Serverの最新バージョン「SQL Server 2017」がGA(一般提供)になりました。SQL Server 2017は、Windowsに加えて、Linux上での動作もサポートします。
SQL Serverは、もちろんAzure Virtual Machines上でもサポートされています。今回、SQL Server 2017のVMイメージがリリースされました。Windows Server 2016、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 7.4、SUSE Linux Enterprise Server(SLES) v12 SP2、Ubuntu 16.04 LTS向けのVMイメージが利用可能になっています。
詳細は、ブログポスト「Announcing new Azure VM images: SQL Server 2017 on Linux and Windows」、Azure VM上のSQL Serverのドキュメント (Linux/Windows)をご覧ください。
Azure Batch:優先順位の低いVMとAzure Batch RenderingがGA
Azure Batchは、大規模な並列コンピューティングやHPCのアプリケーションを実行するためのサービスです。
優先順位の低いVMは、通常のオンデマンドVMに比べて大幅に安い単価(最大80%引き)で利用できるVMです。ジョブが中断しても問題ない場合や、ジョブの実行時間に制約がない場合は、優先順位の低いVMを使ってコストを削減することができます。
優先順位の低いVMは、今年5月にパブリックプレビューになっていました。そして、今回、優先順位の低いVMがGAになりました。
Azure Batch Renderingは、Autodesk Maya、Autodesk 3ds Maxなどのレンダリングジョブを実行するサービスです。
Azure Batch Renderingは、5月に限定プレビュー、8月にパブリックプレビューになっていました。そして、今回、Azure Batch RenderingがGAとなりました。
詳細は、ブログポスト「Cloud Platform Release Announcements for September 25, 2017」、Azure Batchの価格ページ、優先順位の低いVMのドキュメント、Azure Batch Renderingのドキュメントをご覧ください。
Azure Batchを利用する「Azure Distributed Data Engineering Toolkit」についてのブログポスト「Provision on-demand Spark clusters on Docker using Azure Batch's infrastructure」があったのでこちらも紹介します。
Azure Distributed Data Engineering Toolkitは、Dockerイメージを基にSparkクラスターをオンデマンドでプロビジョニングし、そのクラスターにSparkジョブを送信する、オープンソースのPython CLIツールです。このツールキットは、Azure Batchの高速なプロビジョニング時間を活用しており、Sparkクラスターのプロビジョニングには3~5分しかかかりません。優先順位の低いVMを使って、コストを削減することも可能です。
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