ブラックな金曜は、kintoneでプレミアムな金曜になるのか?
ストーリー仕立てでkintoneの世界をさくっと体感できる「kintoneシミュレーター」
2017年10月10日 08時00分更新
自分で簡単にアプリを作れるという、サイボウズのkintone。でもIT界隈には「簡単に」「手軽に」という言葉があふれていて、本当に簡単なのか、どれくらい手軽なのかわからない。だったら使ってみろってことで、サイボウズはオンラインで、しかも仕事の気分転換くらいの短時間で試せるシミュレーターを用意してきた。試用アカウントを登録するのさえ面倒くさかった筆者でも、チュートリアル形式でkintoneの機能の一端を垣間見ることができたぞ。
名前とメールアドレスの登録だけで、数分もあればkintoneを体感できる!
kintoneには以前から興味を持っていた筆者。「とりあえず触ってみるといいですよ」とあちこちから勧められ、試用のための開発者アカウントの登録まではした。が、そのままほったらかしになっていた。「とりあえず触ってみるといい」と言われても、どんなアプリを作ってみればいいのか思いつかないのだ。そこに登場したのが、「kintoneシミュレーター」。これなら簡単にkintoneの世界を体感できるはずと言われ、アクセスしてみた。
そもそも、ほとんどのアプリケーションの試用アカウントというのは、フル機能を体感でき、そこで作った機能やデータを本番アカウントに引き継げるようになっている。でも、ちょっと触ってみたいだけでも多くの情報を登録しなければならない。その点、kintoneシミュレーターは潔い。必要な入力項目は名前とメールアドレスだけ。しかも、認証メールを待ってアカウントを作成して企業名を登録して……なんて手間も一切ない。このあとにもう1画面、登場人物名を入力する画面があるのだが、こちらはデフォルトのままでも問題ない。わずか2ステップで、すぐにシミュレーションをスタートできるのだ。これなら本業が多忙でも、息抜きくらいの気持ちで触ってみることができる。ひとつアドバイスしておくなら、女性がこのシミュレーターを試す際には、登場人物3の名前を好きな男性名にしておくことをお勧めする。理由はのちほど。
もちろん、筆者のような不精者にはうってつけの仕様だ。開発者アカウントを登録しておきながら一切kintoneに触れずにいたこの数ヵ月……そう、それは君を待っていた時間だったんだ(編集部註:単に締め切りに追われていただけです)。
チュートリアルは業務あるあるのストーリー仕立て
すぐに体験できると言われても、実際にどんな風に使ってみればいいのかわからないという、筆者のような思いを抱く人も多いはず。でもkintoneシミュレータはそんな悩みさえも吹き飛ばしてしまう。どんな企業でも抱えていそうな業務課題をベースに、ストーリーを用意してくれているのだ。筆者が体験したのはオープン直後だったため、選べるストーリーはひとつしかなかったが、どうやらこれから増えていくようだ。
執筆時点で公開されていた「花金残業編」を選び、スタートボタンをポチリ。課題をベースにストーリーを作っているのだからしかたないけど、悲しいストーリー名だ。いや、悲しいからこそ、解決すべきなのだ。ブラックな金曜をkintoneでプレミアムな金曜にすべく、チュートリアルスタート!
自分がチームリーダーという設定で、ストーリーが始まった。タイトルも悲しいが、いきなり出てくる「また残業だ」のセリフも悲しい。金曜の夜って、その週のうちに済ませておかなければならない用事や月曜朝までに準備しておかなければならないものが多くあるうえに、翌日が休日なのでついつい深夜までがんばってしまうんだよね。ありがち。今ではフリーライターの筆者にも、サラリーマン時代があった。その頃を思い出す。
「(金曜日に依頼しながら)今日中とは言わない。月曜朝までにあればいい」
「大丈夫、金曜日は72時間ある」
そんな辛い思いをさせないために、kintoneをうまく使わなきゃ。そんなことを思い出しながら次の画面に進むと、どうやら優秀なチームメンバーがすでにkintoneを使いこなしているではないか。
チームメンバーの鈴木さんが、案件管理用のアプリを作ってくれたらしい。優秀なチームメンバーに恵まれて幸せだ、助かったぜ。でもあれ? メンバーが作ってくれたのではkintoneでアプリを作る体験できないのでは。そう思いつつストーリーを進めると……。
どうやらナイスガイ鈴木が作ったアプリをベースとして、カスタマイズしてみようというのがストーリーの流れのようだ。確かに、ゼロからアプリを作ってみるよりも、既存アプリをカスタマイズする方がハードルは低い。悲しいストーリー名だけど、中身はよく考えられている。
ついに俺のターン。このアプリに、添付ファイルを付けられるようにしてやるぜ。画面の指示に従って項目をドラッグ&ドロップしたり、項目名を設定したりと、ナイスガイ鈴木が作ったアプリをカスタマイズ。おお、簡単じゃないか。なぜこの程度のことを、筆者はいままで試さずにいたのだろうと拍子抜けするくらい、アプリのカスタマイズは簡単だ。セクション1、クリア!
実際にアプリを使ってみる体験も、もちろん用意されている
ミッションコンプリート! と思いきや、そのままストーリーはセクション2へ。カスタマイズしたアプリを実際に自分で使ってみようという流れ。確かに、作りっぱなしではダメだ。使い勝手の良さを確認しなければ、チームメンバーに使ってもらえない。
アプリのカスタマイズと同様、指示に従ってアプリにデータを入力していく。必須項目とそうでない項目の違いについてもきちんと説明があるので、必須項目以外を空欄にして進んでみるなど、実際の使い方に近い使い勝手を試せるはいいところ。それにしても取り扱い製品がkintoneとギントーンとシルバートーンって……細かいところに遊び心を潜ませているな、kintoneシミュレーター。でもここまでやるならkintone、ギントーン、カッパトーンと、金、銀、銅まで揃えてくれればいいのに(笑)。
もちろん、先ほど自分でカスタマイズした添付ファイル機能も操作できる。といっても画面上の操作イメージで体験するだけなので、自分で適当なファイルを準備する必要はない。どこまでもお手軽だ、kintoneシミュレーター。これでセクション2もクリアだ!
最後はコミュニケーション機能を体験
データを入力してアプリの使い勝手を確認している間に、メッセージが届いていた。新着アイコンをクリックすると、添付ファイル機能についてのコメントだ。
いいねボタンを押してみたり、次々に流れる会話を読んだりして、SNS的な使い方も体験。女性メンバーに「めっちゃ便利じゃないすか!」と褒められるシーンもあり、ちょっとウフフと思ったり。なるほど、褒めて伸ばす作戦か。ちなみに、女性が試す場合に登場人物3の名前を男性名にしておくようお勧めしたのは、このためだ。シミュレーターの中だけでもイケメンに褒められて、きちんとアゲて行こう。
こうして、セクション3も完了。残業もなくなって、チーム全員が楽しい金曜の夜を過ごせるようになりハッピーエンド。
このストーリーを実際に体験するために要したのは、約20分。記事作成用に画面キャプチャを撮りながらでもその時間で最終画面まで進めることができた。仕事の合間に生じた空き時間で試せるので、kintoneに興味があるけど実際の画面にはまだ触れたことがないという人は、まずここから始めてみるといいだろう。