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体験にこだわったフロア型スピーカー「BeoLab 50」も

Bang & Olufsen初の有機ELテレビ「BeoVision Eclipse」、その体験は?

2017年09月24日 13時30分更新

文● 小林 久 編集●ASCII

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BeoLab 50

部屋やリスニングスタイルにスピーカーが寄り添う

 BeoLab 50はピカピカに磨き上げたアルミの筐体に、オーク材のサイドパネル、ブラックファブリックのフロントカバーをあしらったフロア型スピーカーだ。世界中のセレブが居室に置いても違和感のない、見るからにゴージャスな存在感を醸し出している。

 内部も手の込んだもので、B&Oの持つ最新技術がふんだんに用いられている。しかし本質はそこではないだろう。冒頭でも述べた体験の素晴らしさだ。見た目や音も、もちろんいいが、ハイエンドオーディオにありがちな仰々しさや、難しさを極力排除し、リビングに置くオーディオのあるべき姿を真剣に考えている点に注目したい。

 ハイエンドオーディオはスペックで語られることが多く、かつ顧客の関心も機器そのもののできに向かいがちだ。しかし、いい音を出すうえで最も重要になるのはそれを鳴らす空間である。メーカーのデモは普通、しっかりと防音・調音された部屋で、スピーカーの置き方やリスニングの距離が厳密にセッティングした状態で実施される。しかしすべてのユーザーが専用のリスニングルームを持つわけではない。

 ユーザーがスピーカーを置くリビングは、生活の場である。音楽を聴くだけでなく、家族や友人と一緒に時間を過ごし、コミュニケーションを取るための場所なのだ。スピーカーのためにライフスタイルを犠牲にすることはできない。

 そこでB&Oが開発したのが「Active Room Compensation」と「Beam width control」という2つの技術だ。スピーカーを設置している場所とリスナーの距離を加味し、壁や家具に音が反射の悪影響を排除。さらに誰がどのように聴くかも想定して、高精度な再生を可能とする技術である。

 BeoLab 50は上部に3/4インチのツィーター、正面向いた4インチ×3基のミッドレンジ、10インチのウーファーを備えている。さらに左右の斜め後ろに高さを変えたウーファーを2基備えている。音は一般的に低音が広がり(指向性が低い)、高音になるにつれてストレートに届く(指向性が高くなる)性質を持つ。

 ここで問題になるのが、音の反射だ。

 リスナーに届く音は、スピーカーから直接届いた音(直接音)だけでなく、壁などに反射し、少し遅れて届く間接音が含まれている。特に低音は前方だけでなく、後方に音が回り込む。結果、低音が遅れて聞こえたり、反射した音が直接音と干渉し、音のにごりや位相ズレの原因になったりするのだ。

 そこでB&Oは、マイクを使った計測データをもとに算出したカスタムフィルターを使い音の反射を補正する。ウーファーも前方のほかに左右の斜め後ろに向けて置いて、特に影響が出やすい低音の拡散方向をコントロールしている(Active Room Compensation)。

電源を投入すると、このツィーターがじわじわと上がってくる

 一方指向性がきつい高音に関しては、ツィーターの前にAcoustic Lenzと呼ぶ拡散パネルを用意している。その角度を変えることで、音が飛ぶ方向をビームのように絞ったり、180度まで開いて広い範囲に音が届くようにもできる(Beam width contro)。

 設定の切り替えはワンタッチ。一人で聴く際には、音が最も良く聴こえるスイートスポットに向けて音を出し、族や友人と楽しむ場合はより広い範囲に音が広がるようにする。シーンに応じた選択ができるわけだ。

 また、スピーカーとリスニング位置の距離をマニュアル指定することで、レイアウトの都合上、対称に置いたスピーカーの中央で音を聴けない場合でも適切なステレオ感が得られるようにする機能なども備えている。

 フロア型の機種であるため、幅は45.5㎝(設置部分は28.5㎝)、高さは103.6~108.2mmとそれなりのサイズだが、パワーアンプを内蔵しているため、必要なケーブルはプレーヤー(ソース機)とスピーカーの接続、スピーカー同士の接続、そして電源だけと思いのほかシンプルである。上述の調整機能により、レイアウトの自由度もある。

 7つのドライバーユニットはそれぞれ300W、合計1200W+1200Wのスイッチングアンプ(ICE Power)で駆動する。信号処理はアナログ・デバイセズのDSP「ADSP-2189」を使用。左右のスピーカーは有線(Digital Power Link)または無線(96kHz/24bit対応のWiSAもしくはWireless Power Link)で接続し、左チャンネルがマスター、右チャンネルがスレーブとなる。各種入力端子はマスター側に備える。ハイレゾ対応のDAC機能も備えており、デジタル入力(最大192kHz/24bitのUSB/同軸または最大96kHz/24bitの光)も可能だ。有効周波数帯域は15~43kHzとなる。

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